【火山のメカニズム】についてわかりやすく解説!

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歴史・文化・自然

地球の内部構造とマグマ

地球の半径は約6,400キロメートルあります。その内部は、地殻、マントル、核によって形成されています。地殻とは地球の表面のことです。その深さは大陸の下で約30~40キロメートル、海底の下では約5~6キロメートルあります。 

マントルは上部マントルと下部マントルに分かれています。それらは400~700キロメートルの深さのところで分かれます。そこは主として鉄やマグネシウムを含んだかんらん石で構成されています。マントルは地球の体積の約80パーセントを占めています。

2,900キロメートルの深さからは核になります。約5,100キロメートルの深さで外核(液体)と内核(固体)に分かれていると考えられています。地球の地下は中心に近づくほど高温になります。中心付近の温度は摂氏約5,500度になると言われています。

このような地球の内部構造の中で、マントルは固体ですが、下層で温められて上昇し、上層で冷やされて下降しています。すなわち、1年に数センチメートルというゆっくりとした速度で対流しています。そして、このマントルの対流運動がマグマをつくり出す要因になっています。

世界の火山(活火山)

火山とは、マグマが噴火によって火山灰や岩石などと一緒に地上に放出され、それが溶岩として流れ出たり、火山灰などが降り積もったりしてできた地形(山)のことです。

そして、火山噴火予知連絡会によると、活火山とは、おおむね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山のことです。世界には約1,500の活火山があると言われています。

かつて、休火山、死火山という分類があったよね!ちなみに、富士山は休火山と呼ばれていたんだ!でも、過去の活動記録だけで、将来の噴火の可能性を判断することは難しいということがわかったから、今は、休火山や死火山という分類はやめたんだ!

活火山の分布を国別に見ると、その多くは太平洋をぐるりと取り囲んでいる環太平洋地帯に分布しています。 すなわち、米国には178の活火山があり、特にアリューシャン列島とアラスカに多く分布しています。

次には、ロシアに150の活火山があり、千島列島とカムチャツカ半島に集中しています。また、インドネシアには140、日本には111、チリには104の活火山がそれぞれあります。

ちなみに、日本の活火山の数は、世界の活火山の数の約7パーセントを占めています。そして、世界の活火山は、2つの海洋プレートの境目にある海嶺や海洋プレートと大陸プレートが接する海溝沿いなどに分布しています。

海嶺の活火山

海底には海嶺と呼ばれる山脈があります。海嶺は、斜面が急な細長い海底山脈で大西洋などの世界の大洋の底で連なっています。海嶺の地下では、マントルの対流によって高温の岩石が上昇しています。高温の岩石は、上昇に伴い受けている圧力も低下するため、一部が溶けてマグマになります。

そして、海嶺の頂上には割れ目があり、その隙間を埋めるように絶えずマグマを噴き出しています。つまり、海嶺とは盛んな火山活動を行っている海底山脈のことです。噴出したマグマは両側に流れ出して冷えて固まって海洋プレートになります。すなわち、海嶺はその両側に広がる海洋プレートの境目でもあります。

このようにして、次々とつくり出された海洋プレートは、既存の海洋プレートを押し出すように、年に数センチメートルという非常にゆっくりとした速度で海嶺の両側で移動していきます。そして、海洋プレートは、何億年という長い時間をかけて海溝という深い海底の下に沈み込んでいきます。

沈み込んだ海洋プレートは、大陸プレートに衝突してさらにマントル内へと沈み込み、消えていきます。ちなみに、地球は十数枚のプレートで覆われています。このようにプレートが動く考え方をプレートテクトニクスと呼んでいます。

プレートテクトニクスの考え方によると、海嶺でマントルから変化したマグマによってつくられた海洋プレートは、大洋の底を移動して最後には海溝に沈み込んで、マントル内に入ってマントルに戻るというわけだね!

海溝沿いの活火山

マントルの上に乗っている海洋プレート(マントルの最上部と地殻の最下部にある岩石の層)は、移動しながら海側から大陸側に沈み込んでいきます。すなわち、海洋プレートと大陸プレートとの境界では、両プレートが衝突して海洋プレートがマントル内に沈み込んでいきます。

そして、海洋プレートはマントル内で水分を放出します。その水分によってマントルは溶かされてマグマに変化します。ちなみに、海洋プレートの厚さは約5キロメートルで、大陸プレートの厚さは約30キロメートルです。

海洋プレートがマントル内に沈み込んでから、マントルがマグマに変化するのは20キロメートル~150キロメートルの深さのところです。マグマの温度は、マグマの種類や噴火の状況によって異なるため、摂氏600度~1,400度の範囲です。 

マントルが溶けたマグマは固体のマントルよりも少し熱くて軽くなります。すなわち、マグマはマントルより密度が低くなるため、浮力によって上昇します。そして、マグマは地殻の隙間や割れ目などを通ってゆっくりと上昇します。

マグマが上昇して深さも浅くなると、マグマの周囲で地殻を構成する岩石の密度も低くなります。5キロメートル~10キロメートルの深さで、マグマの密度と周囲の岩石の密度が釣り合うところがあります。

そこでマグマは上昇が止まり溜まっていきます。それをマグマ溜まりと呼びます。また、周囲の岩石の密度が低くなると、圧力も下がるため、マグマに溶け込んでいた水や二酸化炭素などの揮発性成分は気泡へと変化します。

このようにして、マグマは、発泡して膨張するため、その体積を増やしていきます。そして、マグマは、天井を突き破るように上昇して火口から噴出したり、溶岩として流れ出したりします。これは、炭酸飲料のペットボトルのキャップを開けたときに、泡が吹きこぼれる現象と同じです。

すなわち、泡が吹きこぼれるのは、キャップを開けると、ペットボトル内の圧力が下がり、炭酸飲料に溶け込んでいた二酸化炭素が泡として液体の外に飛び出すからです。地中のマグマが地表近くまで上昇すると、同様の現象が噴火として起こります。

ホットスポットの活火山

マントル内部で高温の岩石が上昇する現象をホットプルームと呼びます。すなわち、ホットプルームとはマントル内の上昇流のことです。ホットプルームによって岩石が上昇すると、その岩石が受ける圧力も低下します。

その結果、岩石は溶けてマグマになります。そのマグマは海嶺や海溝でもないところでプレート内部を貫いてマグマ溜まりをつくります。そこから、マグマはさらに上昇して活火山から地上に噴出します。

このように、ホットプルームによってつくられたマグマが、例外的に噴出するところをホットスポットと呼びます。ホットスポットの活火山は世界に数十か所あると言われています。ハワイ諸島、米国のイエローストーン、アイスランドなどにある活火山がホットスポットとして有名です。

プルームテクトニクスという考え方もあるよ!それは、マントル内の深部では、溜まった熱によって膨張したプルームと呼ばれる物質が、浮力を得て上昇しているという考え方だよ!


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