太陽に最も近い不思議な惑星【水星(マーキュリー)】についてわかりやすく解説!

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

歴史・文化・自然

水星とは

水星は英語名ではマーキュリー(Mercury)と呼ばれています。マーキュリーとはローマ神話における商売や旅人の神であるメルクリウス(Mercurius)のことです。メルクリウスはギリシャ神話のヘルメス(Hermes)に当たる神です。

ヘルメスはオリンポス12神の一人で最高神ゼウスの子です。ヘルメスは神々の使者として神話に出てくるほか、商売、牧畜、旅人などを司る神とされています。このような名を持つ水星は太陽系の中で最も太陽に近い惑星です。

すなわち、水星は地球の内側を公転しています。そのため、水星を見ることができるのは、日没直後の薄暗い西の空と日の出前の明るくなり始めた東の空に現れたときです。また、地球から見て、水星が太陽と同じ方向に並んだときを「合」と言います。

そして、水星が太陽の手前に並んだときを「内合」、太陽の反対側に並んだときを「外合」と言います。このような現象が起きているときには、通常、地球から水星は見えなくなります。しかし、ごく稀に、内合に際して水星が太陽の正面を通過しているところ(日面経過)が見えることもあります。

水星までの距離

水星は太陽に最も近い位置で公転しています。その水星から太陽までの距離は、おおよそ4,600万キロメートル~7,000万キロメートルの範囲で変動しています。その平均距離は約5,800万キロメートルです。

ちなみに、水星の外側を公転している地球から太陽までの平均距離は1億5,000万キロメートルです。また、水星と地球の間の距離も常に変動しています。両惑星の距離は、内合のときに最短になり、外合のときに最長になります。

両惑星は、おおよそ8,100万キロメートル~2億1,900万キロメートルの範囲で近づいたり、遠ざかったりしています。両惑星の平均距離は約9,200万キロメートルになります。ちなみに、秒速11.2キロメートル(地球の重力から離脱できる第二宇宙速度)の宇宙船で、地球に最接近するときの水星(約8,100万キロメートル)に到達するには、単純計算で約84日かかります。 

宇宙速度には第一、第二、第三の3つの速度があるんだ!詳しいことは「宇宙に飛んでいく【ロケット】についてわかりやすく解説!」を読んでね!

また、水星は太陽系の中で太陽に最も近い惑星だから、水星では太陽がかなり大きく見えるよ!例えば、水星が太陽から最も離れたときでも、地球から見える太陽のほぼ2倍の大きさに見えるんだ!そして、水星が太陽に最も近づいたときは、ほぼ3倍の大きさに見えるよ!

距離以上に飛行時間を要する水星探査

探査船が水星を調査するときは水星の周回軌道に乗る必要があります。そのためには、探査船は、地球と水星の距離から算出される時間を相当超える長時間の飛行を必要とします。その理由は次のとおりです。

探査船は、地球から太陽により近い水星に向かうとき、太陽の重力(太陽が物体を引く力)を受けながら飛行します。すなわち、探査船は、太陽の重力によって引かれるため、その速度を増していくことになります。

探査船が水星の近くに到達したときには、探査船の速度は相当増していることになります。そのため、探査船は水星の重力を離脱して太陽に向かってしまいます。つまり、探査船は水星の周回軌道に乗ることができません。

探査船が、水星の周回軌道に乗るためには、スイングバイ(swing-by)を繰り返して速度を下げて調節する必要があります。しかし、スイングバイを行うには、惑星の通過を繰り返すため、相当の飛行時間を必要とします。

スイングバイとは惑星などの重力を利用して探査船を加速したり、減速したりする方法です。スイングバイで減速する場合は次のようになります。探査船は惑星が公転する方向の前を通過します。その際、探査船はその惑星の重力によって引き戻されることになります。そのため、探査船は重力から離脱して飛行を続けても、重力に引かれた分減速していることになります。

水星の公転と自転

水星が太陽の周りを一回転するために必要とする時間、つまり、水星の公転周期は約88日です。そして、水星が1回自転するために必要とする時間、つまり、水星の自転周期は約59日です。地球と同じように公転周期を1年そして自転周期を1日と考えると、地球の1年に当たる時間は水星では約88日で経過します。一方、地球の1日に当たる時間は水星では約59日もかかります。

しかし、1日の経過とは、日の出から日の入りを経て再び日の出が来るまでのことです。この観点から水星の1日を考えると、水星は、自転と公転の時間経過が近いために、太陽の周りを一回転している間、つまり、公転周期の約88日間、完全に太陽を背にすることはありません。

すなわち、水星では、日の出から日の入りまで約88日かかり、再び日の出が来るまでに約88日かかります。その結果、水星の1日は地球時間の約176日ということになります。このように、水星では、1年かけて日の出から日の入までを過ごし、もう1年かけて夜を過ごして再び日の出が来るというサイクルになっています。極めて不思議な惑星です。

また、水星の公転速度は太陽系の惑星の中で一番速く平均で秒速約47キロメートルです。一方、水星の赤道上の自転速度は非常に遅く秒速約3メートルです。ちなみに、地球の公転速度は秒速約30キロメートルです。そして、地球の赤道上の自転速度は秒速約470メートルです。

水星の大きさ

水星は太陽系の中で最も小さな惑星です。水星の赤道半径は約2,440キロメートルで地球の約38パーセントです。ちなみに、地球の赤道半径は約6,380キロメートルです。また、水星の質量は地球の約0.0553倍です。

その一方で、水星の平均密度は地球とほぼ同じくらいです。すなわち、水星の平均密度は1立方センチメートル当たり5.43グラムで、地球の平均密度は1立方センチメートル当たり5.51グラムです。それは、水星の内部に半径の4分の3を占める大きな鉄の核があるからです。ちなみに、太陽系の惑星の中で平均密度が最も高いのは地球です。

水星の表面

水星は、太陽系の惑星の中で太陽に一番近いため、どの惑星よりも太陽の強い光を浴びています。そのため、昼間の温度は摂氏約430度に達します。しかし、水星の夜間の温度は摂氏マイナス170度まで冷え込んでしまいます。

すなわち、水星には、水素、ヘリウム、酸素、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどから構成されている薄い大気がありますが、その大気によって温度を保つことはできず、夜間に熱が宇宙に放出されてしまいます。

その結果、水星の昼と夜の温度差は摂氏約600度にもなります。また、水星の地表は月とよく似ています。すなわち、その地表にはたくさんのクレーターがあります。それは水星に大量の隕石が衝突したことを示しています。

特に、水星にはカロリス盆地と呼ばれる巨大なクレーターがあります。その直径は約1,550キロメートルにもなります。水星の赤道半径は約2,440キロメートルですから、このような巨大な隕石が衝突したときには、計り知れないほど大きなインパクトを水星に与えたものと想像します。

水星の北極には水の氷があることがわかりました。水星の赤道では摂氏約460度にも達しますが、極地のクレーターの底には常に太陽の光が当たらないところがあります。氷はそのようなところに存在しているものと考えられています。

水星の内部構造

水星は地球と同じ岩石惑星です。岩石惑星の内部は地殻、マントル、核の3層構造になっています。すなわち、地球も、地表は地殻に覆われており、その下には岩石質のマントルがあり、中心部分には鉄を主成分とする金属の核があります。

地球の核は、液体の外核と固体の内核に分かれているよ!そして、外核の液体金属は対流しているので、磁場が発生しているんだ!この磁場には太陽から降り注ぐ放射線を防ぐバリアの役割があるんだ!だから、磁場の存在は地球上の生命を守るうえでとても重要なんだよ!

水星の内部は、地表の地殻、その内側のマントル、中心の核から構成されています。中心の核の主成分は、鉄で固体金属の内核と液体金属の外核に分かれています。内核と外核を併せた核全体の半径は約1,800キロメートルにもなります。

つまり、水星の半径のおおよそ4分の3は金属の核になっています。そして、外核では液体金属が対流しているため、地球のように磁場があると考えられています。また、水星のマントルと核の間には、おおよそ15〜18キロメートルの厚さのダイヤモンドを含んだ層があるそうです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました