【クアッド(Quad)!】日本にとって重要な国際的枠組み!わかりやすく解説!

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国際

クワッドの枠組み

クワッド(Quad)は、英語で「4つ」を意味しますが、国際関係では、日本、米国、オーストラリア、インドの4か国が安全保障問題などを協議する枠組みの名称です。

正式な名称は、「日米豪印戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)」ですが、その略称として「クワッド(Quad)」と呼ばれています。

この4か国は、自由や民主主義という基本的な価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化にコミットしています。そして「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、ワクチン、インフラ、気候変動、重要・新興技術などの幅広い分野で実践的な協力を進めてきました。また、4か国は、アジア・太平洋地域に貢献していくことが重要であることについても一致しています。

また、1992年に米国とインドの両軍による「マラバール」という合同軍事演習が始まりました。2007年から日本が参加しました。そして、2020年からはオーストラリアが参加しました。その後、クアッドの枠組みでこの合同軍事演習は実施されてきました。

このように、4か国の関係が密接になったのは、中国が、軍事力を拡大させるとともに、積極的に海洋進出を図ったり、力による一方的な現状変更を試みたりして、その脅威が高まっていることが背景にあります。

クワッドの目的

質の高いインフラ、海洋安全保障、テロ対策、サイバーセキュリティ、人道支援・災害救援などの様々な分野において、4か国間で実践的な協力を推進することを目的としています。

「自由で開かれたインド太平洋の実現」は、2016年8月に、当時の安倍晋三首相が提唱した日本の外交方針です。クアッドは、この外交方針を基本的な目的としています。この背景には、アジア・太平洋地域において覇権主義的な政策を進める中国に対抗する意図があります。

クワッドの経緯

2004年のスマトラ沖地震と津波被害において、4か国は、コア・グループを結成して、国際社会の支援を主導しました。また、2006年には、当時の安倍晋三首相が4か国による戦略対話を訴えました。

2017年、4か国による局長級会合が開催されました。2019年9月、米国で初の外相による会議が開催されました。2020年10月、日本で外相による会議が開催されました。

2021年3月、オンラインによる初めての首脳間の協議が実現しました。共同声明では、基本的な価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化にコミットするとともに、紛争の平和的な解決、民主的な価値、領土の一体性といった原則を支持することで一致したこと、

「自由で開かれたインド太平洋」について、その実現に向け、様々なパートナーと協力していくことで一致したこと、そして、東シナ海及び南シナ海におけるルールに基づく海洋秩序への挑戦に対応するため、連携していくことで一致したこと、などが発表されました。

2021年9月、米国で初めて対面による首脳会議が開催されました。共同声明では、基本的な価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化にコミットするとともに、4か国の協力を一層強化していくこと、

法の支配、航行及び上空飛行の自由、紛争の平和的な解決、民主的な価値、領土の一体性といった原則を支持すること、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、引き続き様々なパートナーとの連携を広げ、具体的な協力を積み上げていくこと、そして、

国際社会が直面する喫緊の課題である新型コロナ感染症対策に関し、4か国がワクチン供与や資金の拠出を通じて、インド太平洋地域における安全性、有効性、品質が保証されたワクチンへの公平なアクセスの確保に向けて、大きな役割を果たしていることを確認するとともに、ワクチンの生産拡大、インド太平洋地域への供給を含め、新型コロナ感染症対策において引き続き協力していくこと、などが発表されました。

2022年5月、日本でクワッドの首脳会議が開催されました。共同声明では、4か国は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、今後5年間で6兆円規模のインフラ支援・投資を途上国に実施すること、

また、気候問題についても、日米豪印の気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)を立ち上げること、ウクライナ情勢については、主権や領土の一体性の尊重や平和的な解決が重要であること、などが発表されました。

2023年5月、日本でクワッドの首脳会議が再び開催されました。共同声明では、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を示していくことが一層重要であること、

4か国の連帯と「自由で開かれたインド太平洋(Free and Open Indo-Pacific) 」という共通のビジョンへの強固なコミットメントを改めて国際社会に示す意義は極めて大きいこと、東シナ海及び南シナ海を含め、インド太平洋における力又は威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対すること、

ウクライナ情勢については、領土の一体性及び主権を含む国連憲章の原則の尊重を支持することを確認し、国連憲章に沿った包括的、公正かつ永続的な平和を支持すること、ロシアによる核の威嚇は受け入れられず、ましてやその使用は許されないこと、そして

気候変動、国際保健、インフラ、重要・新興技術、サイバー、宇宙、海洋状況把握、海洋安全保障等、幅広い分野について、引き続き4か国の協力を進化させていくこと、などが発表されました。

次回のクワッド首脳会議は、2024年にインドで開催される予定です。


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