G20
G20はGroup of Twentyの略称です。また、その正式名称は、「金融・世界経済に関する首脳会合」です。G20は、先進国と新興国にEUを加えて構成されています。
G20サミットには、G7(フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)サミットの首脳に加えて、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコの12か国及び欧州連合(EU)の首脳が参加して毎年開催されます。
G20のメンバー国以外にも、招待国の首脳や国際機関の代表などが参加しています。G20サミットの開催国は、12月から翌年の11月までの1年間、G20議長国として、サミットをはじめ、関係閣僚会合も主催します。
G20のGDPは、世界のGDPの約80パーセント以上を占めているよ!
だから、G20でのコンセンサスは世界経済をリードすることになるね!
G20の経緯
1997年、アジア各国の通貨が暴落したため、アジア通貨危機を引き起こしました。これを受けて、国際金融システムについての議論が必要になりましたが、議論を行うためには、G7に加えて、主要な新興国も参加する必要があるとの認識が深まりました。
1999年6月のG7財務会議において、G20の財務大臣・中央銀行総裁会議の創設が合意されました。同年12月にベルリンで第1回会議が開催されました。その後、毎年1回開催されるようになりました。
2008年、リーマン・ショックによって発生した経済・金融の危機に対応するため、米国のワシントンD.C.で第1回のG20サミットが開催されました。
2009年、米国のピッツバーグにおいて第3回G20サミットが開催され、「国際経済協調の第1のフォーラム(Premier Forum for International Economic Cooperation) 」として合意されました。2011年からは毎年開催されるようになりました。
2019年6月、日本は、初めての議長国としてG20サミットを開催しました。そこでは次の前文を含む「大阪首脳宣言」を出しました。
主要な世界経済の課題に団結して取り組む。
特にデジタル化をはじめイノベーションの力を活用しつつ、世界経済の成長促進に向けて協働する。
不平等に対処することによって成長の好循環を創出する。全ての人々が潜在力を最大限に活用できる社会を実現する。人口動態の変化を含め今日・将来の課題に対処できる社会を構築する。
包摂的かつ持続可能な世界に向け、開発を促進し、地球規模の課題に対処する取組を主導する。
2022年11月、インドネシアでG20サミットが開催されました。首脳宣言では、ロシアを名指しすることを避けつつも、ほとんどの国がウクライナでの戦争を強く非難しました。そして、それが国際経済の脆弱性を一層悪化させていることを指摘しました。
また、同宣言には、ロシアに対する経済制裁を巡り別の見方や異なる評価があったことも併記しました。核兵器の使用や核の脅しは許されないこと、そして、現代を戦争の時代にしてはならないことも明記しました。
2023年9月9日、インドでG20サミットが開催され、首脳宣言が採択されました。同宣言では、最大の焦点となっていたウクライナへの軍事侵攻について、ロシアを直接非難することは避けられましたが、「すべての国は領土の獲得のための威嚇や武力の行使を控えなければならない」「核兵器の使用や威嚇は容認できない」などが明記されました。
G20の役割
G20サミットは、「世界経済に関する首脳会合」です。また、G20のメンバー国のGDPは、世界の約80パーセント以上を占めています。そして、「国際経済協調の第一のフォーラム」と呼ばれています。
このことから、G20は、世界経済を力強く成長させることを目的として、経済分野における問題を議論して、解決に向けて協調を図ってきました。
近年、グローバル化が進み、世界規模の問題が増加しています。そのため、G20では、世界経済に大きな影響を与えるような問題、例えば、開発、気候変動・エネルギー、保健、テロ対策、移民・難民問題、戦争等についても活発に議論して、コンセンサスを得ることによって、世界規模の経済問題の解決に向けて重要な役割を果たしてきました。
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