遠方の物体を探知する【レーダー(radar)】についてわかりやすく解説!

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経済・科学

レーダーとは

レーダー(radar)は、Radio Detecting And Ranging(電波探知測距)の略称です。レーダーとは、電波の反射波を使って物標までの距離や方位などを測定する装置のことです。物標とは測定の対象となる標的のことです。例えば、船舶は、他の船舶の動きや障害物などを確認するためにレーダーを利用しています。

空港の管制塔では、空路上や進入・出発の航空機の誘導などを行うためにレーダーが使われています。気象観測においては、遠方の雨や雪の存在や状況などを観測するためにレーダーが利用されています。また、軍事用では、敵の艦船や航空機の監視、探知、追跡などを行うためにレーダーが使われています。このように、レーダーは様々な目的のために利用されています。

レーダーの仕組み

レーダーは電波を一定の方向に発射します。その電波は直線上を進み、物標に当たると反射します。そして、反射波の一部が、山彦(やまびこ)のように発射した位置まで戻ってきます。その所要時間を測定して物標までの距離が算出されます。その公式は距離=速さ×時間です。

ただし、所要時間は電波が反射されて返るまでの往復の時間ですから、片道の距離を測定するためには2分の1にします。そして、電波の速さは光の速さと同じ秒速約30万キロメートルです。以上を踏まえて、電波の速さ×所要時間×1/2という式によってレーダーから物標までの距離を計算します。

例えば、レーダーが電波を発射してから物標に反射して返ってくるまでの所要時間を0.001秒とすると、約30万キロメートル×0.001秒となり、約300キロメートルになります。ただし、これは往復の距離ですから、レーダーから物標までの距離はその半分の約150キロメートルになります。

このように、レーダーは、距離を算出するとともにアンテナの向きから方位を測定して、その情報をディスプレイに映像として表示します。そして、レーダーの電波は波長が短いマイクロ波が使われています。マイクロ波とは波長が1メートル~1ミリメートル(周波数が300MHz~300GHz)の電波のことです。

波長とは波が1回の振動で進む距離(波の幅)のことだよ!周波数とは波が1秒間に振動する回数(波の数)のことで、単位はHz(ヘルツ)だよ!波長と周波数の関係は次の式で表すことができるんだ!

波長=速度(秒速約30万キロメートル)÷周波数(Hz)

だから、1秒間の波の振動回数(波の数)が多い、つまり、周波数が高いとき、波長は短くなるよ!そして、周波数が低いとき、波長は長くなるんだ!

すなわち、波長が1センチメートル以下のミリ波は周波数が極めて高いので、遠距離での探知よりも近距離での物標の識別に優れています。そのため、空港内や港湾内の管制用のレーダーに使われています。一方、船舶や航空機のレーダーは、遠距離での探知を必要とするため、一般的に、周波数は比較的に低い、波長が3~10センチメートルの電波を使用しています。

また、レーダーはマイクロ波を小刻みに発射しています。これをパルス波と言います。パルス波は、物標までの距離を正確に測定したり、1つのアンテナで送信と受信を交互に切り替えたりするうえで有効です。そして、パルス波は一定の周期で繰り返して送信されます。

パルス波が送信されている時間をパルス幅と言います。パルス波が発射されてから次のパルス波が発射されるまでの時間をパルスの繰り返し周期と言います。この周期の時間はパルス幅より長くなります。このようなパルス幅や繰り返し周期は探知する距離によって変わります。

すなわち、レーダーは、アンテナを送信機につなぎパルス波を送信(発射)してから、直後にアンテナを受信機につなぎ変えて反射波を受信します。そして、このような送受信を繰り返します。また、アンテナを回転させて、電波を発射する向きが変われば、広範囲の探知が可能になります。

レーダーの構造

レーダーはアンテナ、送信部、受信部、制御部、表示部から構成されています。一般的に、アンテナは送信と受信で共用されています。すなわち、アンテナは電波を送信するとともに反射した電波を受信します。送信と受信は送受信を分離する装置(デュプレクサ)によって切替えが行われます。

送信部では電波を生成して送信(発射)します。受信部では感度を上げて反射してくる一部の電波を受信します。制御部では、信号(電波)を処理したり、送信機、受信機、表示機を同期させてレーダーを制御したりします。表示部では、地図データ上などに距離や方位などの情報を表示します。

レーダーの歴史

1888年、ドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツは実験によって電磁波(電波)の存在を実証しました。そして、ヘルツは電波が物体に反射することも確かめました。しかし、レーダーの開発は、第一次世界大戦(1914年~1918年)後の1930年代に至ってから始まりました。それは、軍事用レーダーとして主にドイツ、英国、米国において行われました。

電磁波とは、電界と磁界が交互に発生しながら、空間を光と同じ速さで伝わっていく波のことだよ!電界とは、電気のプラスとマイナスがくっ付く力が働く空間のことだよ!磁界とは、磁気のN極とS極がくっ付く力が働く空間のことだよ!それから、電磁波は周波数によって呼び方が違うんだ!つまり、電磁波はX線、紫外線、赤外線、電波などの総称なんだよ!

ドイツでは、1928年、電波を使った探知装置を開発するため、軍需企業のGEMA社が設立されました。1934年、同社は艦船を探知するための最初のレーダーを開発しました。1935年、GEMA社は、探知距離を伸ばし精度を上げて、航空機の探知も可能にしたレーダーを開発しました。そして、海軍の艦艇に装備されることになりました。

1938年、GEMA社は対空監視用レーダーのFREYA(フライヤ)を開発しました。1939年には、艦艇に装備するSEETAKT(ゼータクト)と呼ばれたレーダーが完成しました。1940年、FREYAは、英国から飛行してくる爆撃機などの航空機を監視するため、大量に生産されてフランス、ベルギー、オランダの沿岸に設置されました。

英国では、1935年、短波の受信を研究していた英国の物理学者ロバート・ワトソン=ワットが、空軍省に対して、飛行している航空機を電波(短波)を使って探知する方法について提案しました。そして、ワトソン=ワットは、周波数6MHzの電波(パルス波)を使って10キロメートル以上離れた航空機を探知することに成功しました。

これにより、英国でのレーダーの開発が始まりました。1937年、数百キロメートル離れた航空機を探知できるレーダー(AMES Type1)が完成しました。しかし、AMES Type1は、低空で侵入してくる航空機を探知することが困難でした。そのため、1939年には低空を探知するType2が開発されました。

そして、これらの2種類のレーダーが、東の空を監視するため、英国の沿岸に次々と設置されました。1939年のドイツとの開戦以降、空軍は、来襲してくるドイツの爆撃機を探知するため、CHAIN HOMEと呼ばれた対空早期警戒レーダーシステムを構築しました。

米国では、トーマス・エジソンの提案を受けて、1920年、科学技術の軍事利用を研究するため、海軍調査研究所が設立されました。そこで、遠方を飛行している航空機を探知する研究が行われました。1930年、同研究所は、電波が飛行している航空機に反射して乱れる現象を発見しました。そして、電波を使って艦船や航空機を探知する研究が開始されました。

1934年、同研究所では、別々の場所に設置された送信機と受信機を使って、遠方の航空機にパルス波を送信(発射)し、その反射波を受信することに成功しました。1936年、アンテナを送受信共用にするために必要だった送受信切替え回路を開発しました。1937年、艦艇に装備するレーダー(XAF)が完成しました。

1939年、当時のRCA社が開発したレーダーとXAFレーダーとの比較試験が行われた結果、海軍はXAFレーダーを採用することを決定しました。そして、CXAMとしてRCA社が製造することになりました。1940年、CXAMレーダーは海軍艦艇に装備されました。1941年、改良型のCXAM-1が製造されて海軍艦艇に次々と装備されていきました。

一方、1938年、陸軍はレーダーの性能実験を行いました。すなわち、高い高度を飛行する航空機をレーダーで探知して、その航空機をレーダーに連動しているサーチライトでとらえることに成功しました。そして、1941年、対空射撃用レーダー(SCR-268)が完成しました。

また、1939年、遠方の航空機を探知する早期警戒レーダー(SCR-270)が製造されました。1941年、SCR-270はハワイに設置されました。そして、このレーダーは、日本海軍の爆撃機の編隊が、真珠湾攻撃のため、ハワイに向かって飛行しているところを探知しました。

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