電子機器に欠かせない【半導体】についてわかりやすく解説!

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

経済・科学

半導体とは

半導体とは導体と絶縁体の両方の性質を持つ物質です。すなわち、導体とは電気を通す物質のことです。絶縁体とは電気を通さない物質のことです。半導体とはその中間の性質を持つ物質です。そのため、半導体は、金属などの導体のようには電気を流しませんが、ゴムなどの絶縁体のように電気を流さないわけではありません。

半導体の材料には主としてシリコンが使われています。その理由は、シリコンの主原料(ケイ石)が資源として豊富に存在しており、加工もしやすいからです。シリコン以外の半導体の材料ではゲルマニウムやセレンなどがあります。

一方、純粋なシリコンなどはほぼ絶縁体ですから、そこには自由に動きまわれる電子はほとんどありません。そこに不純物を少し加えることで、半導体の性質を持たせることができます。

N型半導体とP型半導体

半導体には「N(negative)型」と「P(positive)型」があります。どちらも絶縁体よりも電気を通しやすく、導体よりも電気を通しにくいという半導体の性質は同じですが、その仕組みは違います。N型は、シリコンなどに電子を多く持つリンなどの不純物を少し加えたものです。

すなわち、そこに電子を多く持つ不純物を加えると、自由電子が増えます。自由電子は、負(マイナス)電荷を持つため、電圧をかけると、プラス側に移動して電気が流れます。そして、自由電子がマイナスの電荷を持つので、N(negative)型と呼ばれています。

一方、P型は、シリコンなどに電子を少ししか持たないホウ酸などの不純物を少し加えたものです。すなわち、そこには自由電子はありません。そして、価電子が抜けている正孔(穴)ができます。価電子とは、原子が持つ電子のうち、他の原子と反応するときに使われる最も外側にある電子です。

正孔は負電荷を持っている価電子が抜けた穴です。そのため、正孔は価電子とは逆に正(プラス)電荷を持っています。そこに電圧をかけると、正孔に隣接する負電荷を持っている価電子が正電荷を持っている正孔によって引き寄せられます。そして、その正孔は引き寄せられた価電子によって埋められます。

その結果、価電子が正孔に移動したあとには価電子が抜けた新たな正孔ができます。このような現象が順次起こるため、正電荷を持つ正孔の位置が順次変わることになります。それはまさに正孔が移動しているような状態です。つまり、電気が流れるということです。そして、正孔がプラスの電荷を持つため、P(positive)型と呼ばれています。

このN型とP型の半導体を接合して、N型にマイナス極をつなぎ、P型にプラス極をつないで電圧をかけると、電子がN型からP型に移動します。つまり、一方向にのみ電気が流れます。これを整流作用と呼びます。このPN接合に電極を付けた半導体素子(デバイス)をダイオードと呼びます。

そして、NPNやPNP接合に電極を付けた半導体素子をトランジスタと呼びます。トランジスタには、電気信号を増幅したり、スイッチング(電気のON・OFFを高速で切り替えること)したりする機能があります。

一般的には、このような半導体素子(デバイス)を半導体と呼んでいるけど、正確には、半導体は物質で、半導体素子は半導体を使って作られた電子部品だよ!

半導体素子(デバイス)の製造方法

半導体素子とは、ウエハー(基板)の上に電子回路を形成した電子部品のことです。したがって、このウエハーが半導体素子の基本になります。ウエハーは主に純度の高い単結晶シリコンを使って作られます。ウエハーの多くは、通常、直径200~300ミリメートルの円柱状の形をしています。

これをインゴット状と呼んでいます。ウエハーは、0.5~1ミリメートルの厚さにスライスされてから、表面を平らにするために研磨されます。薄い円盤状になったウエハーは、洗浄されてから、電子回路を作るために薄い窒化膜と酸化膜がつけられます。窒化膜は保護膜としての役割があります。酸化膜は絶縁体としての役割があります。

次に、ウエハーの表面にフォトレジストと呼ばれる感光材料を薄く均一に塗布します。フォトレジストとは光を使って電気回路のパターンを描くための感光材料です。 そして、このフォトレジスト膜の上にフォトマスクに描かれた電子回路を焼き付けます。フォトマスクとは電子回路を転写するための原版です。

それから、エッチングという表面加工を行います。この加工法によってウエハーの表面についている酸化膜やフォトレジストなどを取り除いて電子回路パターンの形状を残します。しかし、純度の高い単結晶のシリコンで作られたウエハーは半導体としては機能しません。

そのため、先に解説したように、ここで不純物を加えてN型又はP型の半導体を製造する必要があります。すなわち、ウエハーにリン又はホウ酸などの不純物をしみ込ませます。この工程をドーピングと呼びます。それから、半導体の金属配線材料として、アルミニウムを蒸着(蒸発した金属などを表面に付着させて薄膜をつくること)させることによって金属膜をつくります。

余分なところにあるアルミニウムを取り除けば、電子回路パターンを形成した半導体としてのウエハーが完成します。そして、ダイシングと呼ばれる切り離し作業によって、このウエハーはたくさんの四角いチップに切り分けられます。さらに、一つ一つのチップにリードフレームが取り付けられます。

リードフレームとは、チップを支持・固定して外部回路とつなげるための金属フレームのことです。このようにして、電子回路が形成されたチップができます。これをダイと呼びます。最後に、チップに形成された電子回路を外部から保護して電気的に接続するため、パッケージングと呼ばれる工程を行います。

すなわち、ダイをベース板に接着して固定します。電気信号がつながるようにダイとベース板の接点を接続します。そして、形状を成形してベース板にケースを被せます。その中に樹脂を充填して封止します。各種のテストが行われて半導体素子が完成します。

半導体素子(デバイス)の機能

(1)半導体素子には電気エネルギーを光に変換する機能があります。この機能はPN接合の半導体素子を搭載した発光ダイオード(LED)や有機ELなどに使われています。発光ダイオードを内蔵した製品には各種の照明器具などがあります。また、スマートフォンやテレビなどのディスプレイには有機ELを搭載したものがあります。

LEDは、発熱量が少なく赤外線や紫外線をほとんど出さないんだ!だから、LED照明器具ならば、赤外線や紫外線によって、物があせたり、劣化したりするのを減らすことができるよ!さらに、LEDは、耐用年数が長く、消費電力も少ないという利点もあるね!

また、有機ELを内蔵したディスプレイの特徴は、同じサイズの画面でも、液晶に比べてより薄くて軽いものになることだよ!そして、有機ELのディスプレイなら、消費電力も少なく、高画質の映像を映し出すことができるよ!

(2)半導体素子には光エネルギーを電気に変換する機能があります。この機能は、デジタルカメラなどに内蔵されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor : 相補性金属酸化膜半導体)センサーに使われています。

CMOSセンサーは、レンズから入射した光を電気信号として画素ごとに取り出して、デジタル画像に変換する機能を持っている半導体素子です。また、太陽電池(ソーラーパネル)にもこの機能が使われています。そのため、太陽電池はN型半導体とP型半導体を貼り合わせた構造になっています。

(3)半導体素子には電気の流れをコントロールする機能があります。すなわち、ダイオードには電気を一方向に流す機能があります。トランジスタには電気信号を増幅したり、スイッチングしたりする機能があります。

このような半導体素子を多く組み込むことによって機能をアップすることができます。そのため、半導体素子は様々な電子機器や機械などに内蔵されています。すなわち、スマートフォン、パソコン、家電製品、工作機械、自動車、鉄道車両、飛行機などに利用されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました