走る稲妻と轟く雷鳴【雷(カミナリ)】についてわかりやすく解説!

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雷とは

晴れた空が急に暗くなり、暗雲が低く立ちこめるとき、遠くの空からゴロゴロと雷鳴が聞こえてきます。そして、冷たい風も吹いてきます。やがて、雲の中がピカピカと光出し、雨が降り出してきます。時には、霰(あられ)又は雹(ひょう)が降ることもあります。ほどなくして、空では激しい稲光が頻繁に走り、それとともに大きな雷鳴が繰り返しとどろきます。

雨(霰又は雹)は土砂降りとなり、稲妻が空と地上との間で走るとき、落雷が起きてバリバリ、ドシャーンという物凄い音が響き渡ります。これが典型的な雷のイメージです。雷は発達した積乱雲によって発生します。雷は雲の中で発生する大規模な放電現象です。すなわち、雲を形成している氷の粒がぶつかり合って静電気を起こします。

そのため、雲の中には電気が溜まっていきます。そして、溜まり過ぎた電気を逃がすときに雷が発生します。これが放電現象です。放電するときに発生する衝撃音が雷鳴で、閃光が稲妻です。雲と地上の間の放電が対地放電(落雷)です。また、雲の中や雲と雲の間の放電が雲放電です。

雷が発生する仕組み

太陽は地上の海や湖などの水を温めます。温められた水は蒸発して水蒸気になります。水蒸気によって温められた地上付近の空気は、上昇気流に乗って上空にのぼっていきます。上空ではその湿った空気がちりと混じって水滴となります。上空は、温度が非常に低いため、水滴は氷の粒になっていきます。

そして、これらの水滴や氷の粒は集まって雲(積乱雲)を形成していきます。雲がさらに上昇していくと、温度はさらに低下していきます。そして、大気の温度が氷点下数十度へと下がるにつれて、雲の中の氷の粒には周りの水滴が付着していきます。そのため、氷の粒は、大きくなって重くなるため、落下し始めます。

重くなった氷の粒は、風に流されながら落下して、他の氷の粒や上昇してくる氷の粒と衝突したり、擦れ合ったりして、静電気を起こします。そのとき、一方の氷の粒にはプラスの静電気が帯電します。もう一方の氷の粒にはマイナスの静電気が帯電します。

すなわち、小さい方の氷の粒にはプラスの静電気が帯電します。大きい方の氷の粒にはマイナスの静電気が帯電します。プラスの静電気が帯電している小さな氷の粒は、上昇気流に乗って雲の上の方に集まります。一方、マイナスの静電気が帯電している大きな氷の粒は、落下して雲の下の方に集まります。

また、雲の下の方に集まったマイナスの静電気は、地上にプラスの静電気を集めます。これを静電誘導と呼びます。そして、電子を失った方がプラスで、電子を吸収した方がマイナスです。電子はマイナスからプラスに流れます。この電子の流れが雷(放電現象)です。

すなわち、雲の下の方に集まった負(マイナス)電荷がどんどん溜まっていきます。負電荷が溜まり過ぎると、その負電荷を逃がすため、地上の正(プラス)電荷に放電します。つまり、電子が雲の負電荷から地上の正電荷に流れます。この現象が落雷です。そして、雲の下の方に集まっている負電荷が雲の上の方に集まっている正電荷に放電されると、雲放電になります。なお、電荷とは静電気の量のことです。

稲妻

雷の稲妻は放電されるときに発生する電光です。電光とは火花放電するときに発する光のことです。放電の火花は非常に高温で摂氏約3万度に達します。ちなみに、太陽の表面温度は摂氏約6千度になると言われています。すなわち、稲妻は驚くことにその5倍の高温になります。

また、雷が放電するときの電気エネルギーも膨大で、それを電圧(電流を流そうとする圧力)に換算すると、約1億ボルトなると言われています。ちなみに、家庭のコンセントは100ボルトですから、その100万倍に相当します。そのため、空気は電気を通さない絶縁体ですが、稲妻はとてつもないパワーで空気を引き裂くように進んでいきます。

雷鳴

雷の稲妻は一瞬にして約3万度になります。そのため、稲妻が走るところの空気は、急激に熱せられて爆発的に膨張します。その衝撃が周りの空気に伝わって激しく振動させるため、雷鳴が響きます。雷が遠方で鳴るときは、雲などに反響して、ゴロゴロという音に聞こえます。雷が近くに来ると、ガラガラ、バリバリという激しい音になります。

落雷するときには、バリバリ、ドシャーンというようなけたたましい音を発します。すなわち、空気を引き裂いて落ちてきたものが爆発したような音が鳴り響きます。落雷の瞬間を見ると、はじめに稲妻が空と地上の間を走り、それから、雷鳴が轟きます。ご存じのとおり、光の速さ(秒速約30万キロメートル)は音の速さ(秒速約340メートル)よりとてつもなく速いため、稲妻の光を見てから、数秒遅れて雷鳴を聞くことになります。

雷鳴(音)の速さ(1秒間に約340メートル)とその音が聞こえるまでの時間を使って落雷の位置を推測することができるよ!すなわち、落雷の光を見てから、雷鳴を聞くまでの時間を測れば、落雷したところまでの距離を計算できるんだ!つまり、距離=速さ×時間の公式だよ!

たとえば、稲妻の光を見てから3秒後に雷鳴が聞こえたら、約340メートル(音の速さ)×3秒(時間)=約1,200メートルになるね!この場合、稲妻が見えた方向の約1.2キロメートル離れたところで落雷があったことになるよ!一方、稲妻の光は、1秒間に約30万キロメートルの速さで目に飛び込んでくるんだ!

それは、音の速さに比べたら、まさに一瞬の出来事で、人には認識できるような速さではないよ!ちなみに、光は、約1.2キロメートルの距離なら、約0.000004秒で到達することができるんだ!だから、稲妻の光が目に入るまでの時間は、このような距離の計算では考慮する必要はないよ!

雷の種類

雷には次のような5つの種類があります。1つ目は熱雷(ねつらい)です。夏には、太陽の強い日差しによって地表付近の空気が熱せられます。そして、上昇気流が発生して積乱雲(雷雲)ができます。この雷雲によって発生するのが熱雷です。すなわち、夏の雷はほとんどが熱雷です。

2つ目は界雷(かいらい)です。暖かい空気と冷たい空気が接する前線付近では、冷たい空気が暖かい空気を押し上げるので、上昇気流が発生します。この上昇気流によって雷雲ができやすくなります。この雷雲によって発生するのが界雷です。季節の変わり目には前線が発生することがよくあるため、界雷はその時期に発生する雷です。

3つ目は渦雷(うずらい)です。発達した低気圧や台風の中心付近では、周囲から気流が吹き込んでくるので、強い上昇気流が発生します。この上昇気流によって雷雲ができます。その雷雲によって発生するのが渦雷です。渦雷は、気温が高いほど長い時間勢力を維持して速い速度で移動します。そのため、影響は広範囲に及びます。

4つ目は火山雷(かざんらい)です。火山の噴火によって上昇気流が発生します。また、噴火は水蒸気とともに噴石などを放出します。そのとき、噴石が衝突することによって静電気が起こり、それが放電することで雷が発生します。それが火山雷です。

5つ目は冬季雷(とうきらい)です。冬に大陸から吹いてきた寒気が海面で暖められて上昇気流が発生します。この上昇気流によって低空に雷雲ができます。この雷雲によって発生するのが冬季雷です。冬季雷は、低いところで発生するため、落雷のときには夏の雷よりも大きな電流を流すことが多いです。また、冬季雷は、日本海沿岸で観測されますが、世界的に珍しい気象現象です。

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