【M&A】買収についてわかりやすく解説(パートⅡ)!

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経済・科学

M&A

M&AとはMergers and Acquisitionsの略称です。すなわち、M&Aは会社の合併と買収のことです。合併とは、複数の会社が一つの会社に統合することです。買収とは、ある会社が他の会社の株式などを取得(買収)することです。

また、広義の意味では提携を含める場合もあります。提携とは、複数の会社が業務などを共同して行うことです。このように、M&Aの方法としては合併、買収、提携があります。パート1では合併と提携の具体的な方法について解説しました。パート2では買収の具体的な方法について次に解説します。

買収の方法(株式を取得する方法)

買収における株式の取得とは、対照となる会社の株式を取得して経営権を獲得することです。株式を取得する方法には、株式譲渡、株式交換、株式移転、第三者割当増資の4つがあります。

株式譲渡

株式譲渡とは、ある会社の株式を買い取ることによって経営権を獲得することです。つまり、新しい株主が経営する会社になります。この方法は実務上よく使用されます。

買収の手続は株式の譲渡ですから、会社の事業活動はそのまま継続することになります。買い手が親会社として株式を取得した場合には、売り手は、その子会社として親会社の支援が期待できるので、新たな成長が望めます。

一方、買収には多額の資金が必要となります。そして、買収後には会社の実態がそのまま残るため、新たな経営方針を浸透させたり、業務の効率化やコストの削減などのシナジー効果(相乗効果)をもたらしたりするには時間がかかります。

株式交換

株式交換とは、完全子会社となる会社が、そのすべての株式を完全親会社となる会社に譲渡して、代わりに、完全親会社の株式を完全子会社の株主に譲渡することです。すなわち、株式交換とは、完全子会社となる会社の株式と完全親会社となる会社の株式とを交換する方法です。

これにより、対象となる会社は100%の子会社になります。また、株式交換の対価として、完全親会社となる会社の親会社の株式を与えることもできます。これを三角株式交換と言います。さらに、現金のみを対価として与えることもできます。

株式移転

株式移転とは、ある会社のすべての株式を新設する親会社に譲渡して、ある会社の株主は新設する親会社の株主になることです。これにより、ある会社は完全子会社となり、新設する会社は完全親会社となります。

すなわち、ある会社の株主が保有している株式は、新設する完全親会社に移転します。そして、ある会社の株主は、新設する完全親会社が新しく発行する株(新株)の割当を受けて、その完全親会社の株主になります。

株式移転では、複数の会社を完全子会社にするため、持株会社(ホールディングカンパニー)を設立することができます。株式交換と株式移転は、完全子会社と完全親会社の関係をつくり出す点では同じですが、完全親会社が既存の会社になるか、又は新設する会社になるかという点で異なっています。

また、株式交換と株式移転では、買収の対価として親会社の株式を充てるときには、資金を準備する必要がありません。そのため、どちらも十分な資金がなくても実施できる方法です。

第三者割当増資

第三者割当増資とは、会社が新株の発行などを行い、特定の第三者に対して新株などを引き受ける権利を与えて、増資を行うことです。会社が行う資金調達の一つの方法です。

すなわち、株主であるか否かを問わず、株式を引き受けるための申し込みをした者に対して、新株又は会社が処分する自己株式を割り当てます。上場会社の場合は、会社再建のために資金を調達するとき又は割り当て先の会社と資本提携を行うときなどに使われる方法です。

一方、第三者割当増資は、株式の数が増加して株主の構成も変わるため、既存株主にとっては、持株比率が低下するという不利益が生じることにもなります。

また、敵対的買収の対象となった会社が、防衛策の一環として、買収を行う会社の持株比率を意図的に低下させるため、第三者割当増資を実施する場合もあります。敵対的買収とは、買収の対象となる会社の同意を得ることなく、株式の取得が行われることです。

買収の方法(事業を取得する方法)

買収における事業の取得とは、会社全体から特定の事業を切り出して、その事業を取得することです。事業を取得する方法には事業譲渡と会社分割の2つがあります。

事業譲渡

事業譲渡とは、ある会社が営む事業の全部又は一部を他の会社に譲渡することです。すなわち、事業譲渡とは、必要とする事業とその権利義務(資産や負債)を一体として譲渡する方法です。

この場合、事業の譲渡を受ける会社は、事業の権利義務のうち、必要とするものを選択することができます。そして、必要とする権利義務の譲渡を受ける場合には、別途手続きが必要となるときもあります。

譲渡する事業のうち、資産については、不動産や動産といった有形資産だけでなく、著作権、商標権、特許権、実用新案権などの知的財産権、顧客名簿などのリスト、契約などの無形資産も含まれるよ!

ただし、従業員との雇用契約については譲渡後に改めて締結する必要があるよ!

会社分割

会社分割とは、ある会社が営む事業の全部又は一部を他の会社に譲渡することです。すなわち、会社分割とは、ある会社が営む事業とその権利義務の全部又は一部を分割したうえで、他の会社に譲渡する方法です。そして、複数の会社がそれぞれの事業を1つの会社に譲渡することもできます。

先に解説したように、事業譲渡では、他の会社が事業の譲渡を受けるとき、その事業の権利義務のうち必要とするものを選択して受けることができます。これに対して、会社分割では、分割された事業を引き受ける会社は、包括的に引き受けることになるため、不要な資産や負債なども引き受けることになります。

そして、会社分割は、対価として、事業を引き受ける会社の株式を事業を引き渡す会社が受け取る場合(分社型分割)と事業を引き渡す会社の株主が受け取る場合(分割型分割)の2つに分けることができます。また、会社分割には吸収分割と新設分割があります。

吸収分割

吸収分割とは、既存の会社が事業の全部又は一部を引き受けることです。そして、分社型吸収分割では、事業を引き渡す会社が、対価として事業を引き受ける会社の株式を受け取り、株主として親会社になります。

また、分割型吸収分割では、事業を引き渡す会社の株主が、対価として事業を引き受ける会社の株式を受け取り、株主になります。すなわち、事業を引き渡す会社の株主は、事業を引き渡す会社と引き受ける会社の両社の株主になります。

新設分割

新設分割とは、新たに設立した会社が事業の全部又は一部を引き受けることです。そして、分社型新設分割では、事業を引き渡す会社が、対価として、事業を引き受けるために新設された会社の株式を受け取り、株主として親会社になります。

また、分割型新設分割では、事業を引き渡す会社の株主が、対価として、事業を引き受けるために新設された会社の株式を受け取り、株主になります。すなわち、事業を引き渡す会社の株主は、事業を引き渡す会社と事業を引き受けるために新設された会社の両社の株主になります。





 

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