【OECD(経済協力開発機構)】についてわかりやすく解説!

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

国際・政治

OECD

OECD(経済協力開発機構)とは、Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略称です。OECDは、世界経済全般について協議することを目的として設立されました。

OECDの本部はフランスのパリにあります。OECDは、経済や社会などに関する様々な課題について調査・分析を行い、その結果に基づき政策提言を行うことから、「世界最大のシンクタンク」と呼ばれています。

シンクタンクとは、think tankのことで、専門家や研究者などが、政治、経済などにおける様々な問題について調査・分析を行い、政策提言など行う専門機関のことです。

OECDの設立経緯

第二次世界大戦は連合国側(米国、イギリス、フランスなど)の勝利で終わりました。しかし、この戦争によって、ヨーロッパでは、敗戦国だけでなく戦勝国も荒廃し、その経済は疲弊してしまいました。

米国のマーシャル国務長官は、このような状態からヨーロッパ諸国を救済するため、「マーシャル・プラン(ヨーロッパ諸国の復興援助計画)」を発表しました。そして、ヨーロッパ諸国は、この援助を受け入れる体制を整える準備をしました。

1948年4月、マーシャル・プランを受け入れる機関として、OEEC:Organization for European Economic Cooperation(欧州経済協力機構)が発足しました。そして、OEECは、ヨーロッパ諸国の経済が復興・発展することに貢献しました。

その結果、ヨーロッパ諸国では復興・発展が進み、OEECの目的は達成されました。そのため、1961年9月に至り、自由主義経済圏の発展を図るため、OEECを改組してOECDが設立されました。

そして、OECDには、米国とカナダが新たに加わりました。OECDは、東西冷戦の中で、社会主義経済圏に対抗する自由主義経済圏の協力機構として、世界経済などについて協議して、経済政策などについて協調していくことになりました。

OECDの目的

OECDの主な目的は、(1)世界経済の発展、(2)開発途上国の経済の拡大、(3)多角的で自由な貿易体制の拡大という3つの点に貢献することです。そのため、OECDでは、経済や社会などの幅広い分野について意見や情報の交換を行います。

それによって、加盟国間において認識を共有して政策の調和を図ることとしています。すなわち、OECD条約の第1条には次のように規定されています。

OECDの目的は、以下のことを意図した政策を推進すること。

(1) 加盟国は、財政金融上の安定を維持しつつ、できる限り高度の経済成長と雇用、生活水準の向上を達成して、もつて世界経済の発展に貢献すること。

(2) 経済的発展の途上にある加盟国及び非加盟国の経済の健全な拡大に貢献すること。

(3) 国際的義務に従って、世界貿易の多角的かつ無差別な拡大に貢献すること。

OECDの加盟国

OECDが設立された当初の加盟国は次の20か国です。オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国

その後、次の18か国が新たに加盟しました。日本(1964年)、フィンランド(1969年)、オーストラリア(1971年)、ニュージーランド(1973年)、メキシコ(1994年)、チェコ(1995年)、ハンガリー(1996年)、ポーランド)(1996年)、

韓国(1996年)、スロバキア(2000年)、チリ(2010年)、スロベニア(2010年)、イスラエル(2010年)、エストニア(2010年)、ラトビア(2016年)、リトアニア(2018年)、コロンビア(2020年)、コスタリカ(2021年)

2024年1月現在、以上の38か国がOECDの加盟国です。そして、欧州委員会(EC)もOECDの活動に参加しています。また、アルゼンチン、ブラジル、ペルー、ブルガリア、クロアチア、ルーマニアの6か国とは、OECDへの加盟に向けた協議を開始しています。

OECDの組織

OECDには、最高意思決定機関として理事会があります。理事会は、EUの欧州委員会を含む加盟国の代表によって構成されています。理事会には、加盟国の関係閣僚による閣僚理事会と常駐代表による理事会とがあります。

閣僚理事会は通常毎年1回開催されます。議長と副議長(2人)は加盟国から毎年選出されます。閣僚理事会では、経済、社会などの課題について議論が行われ、コンセンサスが得られたものは、閣僚声明として発表されます。

常駐代表による理事会は毎月2回開催され、事務総長が議長を務めます。ここでは、OECDの予算、活動、政策などについて決定します。理事会の下部機関として、分野別の各委員会があります。

委員会には、理事会を直接支える常設委員会として執行委員会、予算委員会、対外関係委員会があります。そのほか、経済、社会、租税、雇用、教育などの幅広い分野について、多くの委員会が設置されています。

また、事務局には、事務総長(1名)と事務総長を補佐する事務次長(4名)や事務総長首席補佐官(1名)がいます。 事務総長は、理事会で選出され、任期は5年です。そして、事務局は、官房や各分野別の部局に分かれています。そして、多くの専門スタッフがOECDの活動を支えています。





コメント

タイトルとURLをコピーしました