日米同盟の基盤【日米安保条約(前編)】についてわかりやすく解説!

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国際・政治

日米安保条約を2回に分けて解説します。前編は日米安保条約の必要性と経緯です。後編は日米安保条約の条文の解説です。

日米安保条約の必要性

日米安保条約(Japan-U.S. Security Treaty)の正式名称は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(Treaty of Mutual Cooperation and Security between Japan and the United States of America)です。日米安保条約に基づく日米同盟は、日本の外交と安全保障体制の基軸として日本の平和と安全を確保するうえで重要な役割を果たしてきました。今日においても、日本周辺の国際情勢は厳しい状況が継続しているため、日米同盟の重要性は引き続き高まっています。

すなわち、日本の周辺の国際情勢を概観すると、軍事大国のロシアとの間では、北方四島の返還という領土問題が解決していないため、日本とロシアは平和条約を締結していません。特に、2022年2月にロシアがウクライナへの侵攻を始めたときから、ロシア兵によるウクライナ国民に対する暴行、残虐行為、虐殺が連日のように報道されてきました。その時から、周辺の国々ではロシアの軍事的脅威がいやが上にも高まりました。そして、日本は、他国の平和と安全を脅かす行為としてロシアに対する経済制裁に加わりました。

尖閣諸島の魚釣島 石垣市尖閣諸島デジタル資料館から引用

そのため、ロシアとの関係は悪化しています。隣国の中国は、経済成長とともに軍事費の大幅な増額を行って軍事大国となりました。それに伴って、中国は、日本を含む周辺国に対して威圧的な言動を繰り返してきました。日本に対しては、日本の領土である尖閣諸島を狙って、中国海警局の船舶がその領海や隣接する接続水域への侵入を繰り返しています。そして、ロシアと中国は、日本周辺において軍用機による飛行や艦艇による航行を繰り返し行うとともに、共同軍事演習による示威行為も実施して日本に脅威を与えています。

また、北朝鮮は、日本海や太平洋に向かってミサイルを発射するなどの軍事的な威圧を繰り返してきました。さらに、これらの3国は、相互に同盟又は協力関係にあり、いずれも核兵器を保有しています。特に、ロシアは、ウクライナとの戦争において核兵器を使用する可能性にも言及して威嚇を行っています。中国は戦略核(長距離ミサイル、潜水艦、爆撃機に搭載して相手国を直接攻撃する大型の核兵器)の核弾頭数を急速に増やしています。

日本は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという非核三原則を堅持しているんだ!そして、日本は、原子力基本法によって原子力の研究、開発、利用は平和の目的に限っているよ!さらに、日本は、核兵器不拡散条約(NPT: Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)を締結しているため、核兵器を製造したり取得したりしないことを約束しているんだ!だから、核兵器の脅威に対しては、米国の核の傘(拡大核抑止)に依存しているのが現状だよ!

核戦争は、いわゆる「相互確証破壊(Mutual Assured Destruction)」という核戦略によって、その発生が抑止されていると言われているんだ!すなわち、相手国から核攻撃を受けた場合、報復として相手国を確実に破壊できる核兵器を保有することで抑止力が働くことだよ!つまり、相手国は、報復を恐れて核兵器による先制攻撃を控えることになるという理屈だよ!そして、現実には、お互いがこの状態を維持することで核戦争を防いでいるんだ!「恐怖の均衡」とも言われているよ!だから、現実的には、このバランスが崩れるときが最も恐ろしいとも言えるんだ!

そして、北朝鮮は核兵器や長距離ミサイルの開発や増産を行っています。このように、極東においては、軍事大国による軍事的な威圧や覇権主義(大国が、その影響力を拡大するため、他国に対して軍事、経済、政治面から力を行使して、主権を侵害する行為)が周辺国の平和と安全を脅かしています。すなわち、日本は、独力で平和と安全を維持することは極めて困難な状況にあると言わざるを得ません。そのため、日本は、米国の強大な軍事力に基づく強力な抑止力に依存して平和と安全を維持しています。

抑止力とは相手に攻撃を思いとどまらせる力のことだよ!具体的には、ある国が他国から攻撃される恐れがある場合、その国が、他国に対して懲罰を与えたり、その攻撃の目的が達成されることを阻止したりする軍事力(報復力)を持っているとき、他国が攻撃を思いとどまることだよ!つまり、抑止力があると相手(敵国)の攻撃を未然に防ぐことができるんだ!

日本と米国は、民主主義や人権の尊重などの価値観を共有しています。そして、政治、経済、軍事面においても密接な関係にあるため、日本にとって米国との同盟が必要不可欠であることは自明の理です。しかし、米国によるパクス・アメリカーナ(米国が、唯一の超大国として、その圧倒的な力で世界の平和を保つこと)の時代は終わり、世界は多極化に向かっていると言われています。このような時代において、日本は、自らの防衛力を充実して米国の負担を補う努力を行うとともに、日米安保条約に基づく同盟関係を益々深化させていくことが極めて重要になっています。

すなわち、日米安保条約に基づく日米同盟は、日本の平和と安全にとって極めて重要な役割を果たしていますが、この同盟関係を継続していくためには、相互の信頼関係が不可欠です。そのため、日本が、米国の強大な軍事力が持つ強力な抑止力を必要としている限り、米国の信頼を得るための不断の努力が必要です。それは、日本が、民主主義国家として信頼に値する強い経済力や軍事力を保持するとともに、米国との間に政治、経済、軍事の面において緊密な関係を継続していくことです。

また、日米安保条約には、米国が日本を防衛することが規定されています。そして、日本は、米国に対し米軍のための基地などを提供することが規定されていますが、米国を防衛することは規定されていません。この点について、米国では、日米安保条約が不公平又は不平等であると批判され、この片務的な状態を解消すべきとの主張が行われるときがあります。このような批判を避けるためにも、日本は、自らの防衛力整備に努めるとともに、防衛面において米国に対する支援・協力を拡大していくことが極めて重要です。

日米安保条約の経緯

1951年9月8日、第2次世界大戦の連合国(48か国)と日本は、米国のサンフランシスコで平和(講和)条約に調印しました。これにより、戦後、連合国軍の占領下に置かれた日本は主権国家として独立を回復しました。そして、同日、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(旧日米安保条約)が署名され、1952年4月に発効しました。この条約の締結によって日米同盟は成立しました。当時は、朝鮮戦争が勃発していたため、日本周辺の国際情勢は大変厳しい状況でした。

しかし、日本では日本を防衛する自衛組織は警察予備隊のみでした。そのため、米軍が日本に駐留して日本の防衛に協力することが必要不可欠でした。旧日米安保条約第1条には、極東における平和や安全を維持するため、日本やその付近に米軍を配備することは規定されていました。しかし、外部から日本に対して武力攻撃があった場合には、日本の安全に寄与するため、米国は米軍を使用することができると規定されていました。つまり、日本を防衛する義務については不明確でした。

また、第1条には、日本において内乱や騒擾(そうじょう)が起きたときには、日本政府の要請に応じて、米軍を鎮圧部隊として使用することもできると規定されていました。そのため、日本では、両国が対等な関係とは言えない不平等な条約ではないかという議論が巻き起こりました。これが背景となって、1957年6月、日本は米国に対して旧日米安保条約の改定を提起しました。その後、日米間で交渉が行われた結果、1960年1月19日、現行の日米安保条約がワシントンで署名され、同年6月23日から効力が発生しました。

この改定によって、内乱などに対して米軍が鎮圧できるという部分は削除されました。また、日本の領域に対して武力攻撃があった場合には、日米両国が防衛のための行動を起こすことが規定されました。すなわち、旧日米安保条約において不平等と言われていたところが是正されました。そのほか、この条約には、日米両国が経済的な協力を促進すること、日本の安全又は極東における平和や安全に対して脅威が生じたときには、いつでもどちらかの要請により協議することなどが追加されました。

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