想像を絶する不思議な惑星【天王星(ユーレイナス)】についてわかりやすく解説!

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天王星とは

天王星は英語でUranus(ユーレイナス)と呼びます。この名称はギリシア神話の天空の神ウラノスに由来しています。ローマ神話では天空の神ウラヌスに相当します。天王星は、1781年にドイツ出身のイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェル(William Herschel:1738-1822)によって発見されました。

天王星は木星と土星に次ぐ太陽系で3番目に大きな氷の惑星です。天王星は、太陽から見ると、地球の遥か外側で公転(太陽の周りを回ること)しています。天王星は、「衝(しょう)」のときに最も地球に近づくので、真夜中なると、南の空に高くのぼります。天体望遠鏡で観測すると、天王星はパステルブルーに近い色の星として見えます。

天王星の大気にはメタンが含まれています。太陽の光には赤や青の光が混ざっていますが、メタンは赤い光を吸収する働きがあります。そのため、太陽の光を反射している天王星は、青い光だけが残りパステルブルーに近い色に見えます。

太陽から見て、地球の外側の軌道を回っている惑星、すなわち、火星、木星、土星、天王星、海王星は外惑星と呼ばれているんだ!そして、外惑星が地球に最も接近するときを「衝(しょう)」と呼ぶんだ!このとき、太陽、地球、外惑星の順で直線上に並ぶことになるよ!反対に、外惑星が地球から最も遠いところに位置するときを「合(ごう)」と呼ぶんだ!このときは、地球、太陽、外惑星の順で直線上に並ぶことになるよ!

天王星までの距離

太陽系の惑星は、楕円軌道で太陽の周りを回っているため、太陽との距離は一定ではありません。そのため、太陽から天王星までの平均距離は約28億7,500万キロメートルになります。ちなみに、太陽から地球までの平均距離は約1億4,960万キロメートルです。すなわち、天王星は、太陽からの距離で比較すると、地球のおよそ19倍も遥か遠方で公転しています。

また、天王星が地球に最も接近するという「衝」の位置に並ぶとき、つまり、太陽、地球、天王星の順で直列になるとき、地球から天王星の距離は約25億8,650万キロメートルになります。一方、天王星が地球から最も遠く離れるという「合」の位置に並ぶとき、つまり、地球、太陽、天王星の順で直列になるとき、地球から天王星の距離は約31億5,550万キロメートルになります。

地球に最接近するときの天王星(約25億8,650万キロメートル)の光(秒速約30万キロメートル)が、地球に到達するまでには約2時間24分かかります。また、秒速11.2キロメートル(地球の重力から離脱できる第二宇宙速度)の宇宙船で、地球に最接近するときの天王星まで行くには、単純計算で約2,673日(約7年4カ月)かかります。

宇宙速度には第一、第二、第三の3つの速度があるんだ!詳しいことは「宇宙に飛んでいく【ロケット】についてわかりやすく解説!」を読んでね!

ちなみに、NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星探査機ボイジャー2号は、1977年8月20日に米国フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、1986年1月24日には天王星から8万1,500キロメートルの距離まで接近しました。ここまでの飛行時間は約8年5カ月になります。これが人類史上最初の天王星への探査飛行です。

天王星の自転と公転

自転とは、北極と南極を結ぶ直線を軸として回転することです。地球の自転周期は約24時間です。自転周期とは天体が一回自転するときにかかる時間のことです。また、天王星を除く太陽系のすべての惑星は、自転軸が公転(軌道)面に対してわずかなものも含めて傾いていますが、垂直に近い状態で横に自転しています。

一方、天王星の自転周期は約17時間14分です。天王星は自転軸が公転面に対して約98度傾いています。すなわち、天王星は、地球の北極と南極にあたる極がほぼ水平(横倒し)の状態で縦に自転しながら、公転しています。そして、横倒しになっている天王星は、公転しながら、左右の極の位置を入れ替えていきます。

すなわち、天王星は、公転を半周するとき、その片方の極が、太陽に面している位置から、反対側の太陽に面していない位置へと移動していきます。つまり、天王星は、公転を半周するごとにこの左右の位置が徐々に入れ替わります。その結果、天王星は、公転によって片側半分が太陽の光を浴びているとき、もう一方の片側の半分は暗闇の世界になります。

さらに、地球の公転周期(太陽の周りを一回りするときにかかる時間)は1年ですが、天王星の公転周期は約84年です。すなわち、天王星の片側半分は、公転周期の半分の約42年間は昼間(日の出から日の入りまで)が続き、残りの約42年間は夜間(日の入りから日の出まで)が続くことになります。そして、約42年間の昼間と夜間が入れ替わるときが天王星の春分と秋分にあたります。

この2つの分点とその前後の時期には、天王星では、極方向に当たっていた太陽の光が赤道方向に当たるようになります。そのため、その時期は地球のように自転によって昼夜が訪れることになります。天王星が横倒しで自転しながら公転している理由はよくわかっていません。天王星が誕生したころに他の天体が衝突したためではないかと考えられています。このように、天王星は想像を絶する不思議な惑星です。

天王星の大きさ

天王星の赤道半径は約25,559キロメートルです。ちなみに、地球の赤道半径は約6,378キロメートルです。つまり、赤道半径では地球の約4倍の大きさがあります。また、天王星の体積は地球の約63倍です。この大きさは太陽系では木星と土星に次ぐ3番目です。しかし、質量では木星、土星、海王星に次ぐ4番目です。そして、天王星の質量は地球の約14.5倍です。

天王星の表面

天王星は巨大氷惑星と言われていますが、その表面は青白い(パステルブルーの)大気に覆われています。そして、その大気は、約7,000キロメートルの厚さがあり、水素(約83パーセント)を主な成分としてヘリウム(約15パーセント)、メタンなどによって構成されています。

つまり、天王星には地球の地殻のような表層部はありません。また、太陽から遠く離れた天王星には太陽の光が少ししか届かないため、天王星の表面温度は摂氏マイナス200度以下にもなります。そして、昼間と夜間の温度にはほとんど差がありません。

天王星の内部構造

天王星の平均密度は1立方センチメートルあたり1.27グラムです。これは、太陽系の惑星の中で最も水の密度(1立方センチメートルあたり1グラム)に近いものです。つまり、天王星はほとんどが水の氷でできている惑星とも言えます。ちなみに、地球の平均密度は1立方センチメートル当たり5.51グラムです。

天王星の内部は次のような3つ層で構成されていると考えられています。すなわち、天王星の外側には水素、ヘリウム、メタンによって構成されているガスの層(大気)があります。この層の下には、水にメタンやアンモニアが混じっている氷で形成されている厚いマントル層があります。そして、中心には岩石、鉄、ニッケルによって構成されているコア(核)があります。

また、天王星では地球の数十倍の強さの磁場が発生しています。地球では、中心にある核の外側(外核)が融けて流体運動しているため、磁場が発生しています。そして、磁場の軸は自転軸に対して約11度だけ傾いています。一方、天王星の磁場の軸は自転軸に対して約60度も傾いています。このことから、天王星では、磁場を生成する流体運動が、惑星の中心付近ではなく、半径の半分より外側のマントルで起こっているものと考えられています。

流体とは、一定の形を持たず、自由に形を変えながら流れていくことができるもののことだよ!すなわち、流体は気体と液体の総称だよ!

また、天王星の数千キロメートルの深さのところでは、極めて高い熱と圧力によって、炭化水素化合物から分解された炭素がダイヤモンドになって深層に沈んでいると考えられているんだよ!

天王星の衛星と環

天王星には28個の衛星が確認されています。その中には5大衛星と呼ばれている比較的大きな衛星があります。それらは、内側の軌道から、赤道半径が235.8キロメートルのミランダ、578.9キロメートルのアリエル、584.7キロメートルのウンブリエル、788.9キロメートルのチタニア、761.44キロメートルのオベロンという衛星です。

ミランダを除く4大衛星の氷の下には海が存在している可能性があると考えられています。また、天王星には13本の環がありますが、それらの環は、光の反射率が非常に低いため、暗くて見えにくくなっています。ε(イプシロン)と呼ばれている最も明るい環は大小の岩で構成されています。

そして、天王星の主な環にはマイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1,000分の1)サイズのような小さな粒子はありません。天王星の環と環との間隔はおよそ1,000キロメートル以上ありますが、それぞれの環の幅はとても狭く、最も幅の広いイプシロンでもおよそ20~100キロメートルくらいしかありません。

 

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