【龍/竜とは!】十二支では唯一の架空の生き物!龍についてわかりやすく解説!

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

歴史・文化・自然

十二支の辰

辰は龍のことですが、十二支の中では唯一伝説上の生き物です。中国では、龍は、麒麟、鳳凰、霊亀とともに、4つの霊獣の中の一つですが、龍を想像上の生き物ではなく、実在する動物と考えられていたとも言われています。

大型恐竜の化石を龍の骨と信じて、長い間、漢方の材料として使われてきたため、その実在を信じる根拠になっていたという話もあります。さらに、龍は皇帝の象徴であり、皇帝は龍の血を引いているとされていました。そのため、龍の実在を否定することが許されなかったことも影響していたかもしれません。

また、中国では、龍という文字には、鰐(ワニ)という意味もありました。そのため、龍は鰐の意味で十二支に入れていたとする説もあります。

龍の姿

中国では、龍を描くときに、「三停(さんてい)」と「九似(きゅうじ)」が結びついた 「三停九似」という考え方があります。すなわち、龍の身体には、3つの等しい部分と9つの似たところがあるという説です。「三停」とは、頭から腕の付け根まで、腕の付け根から腰まで、腰から尾の先までの長さが等しいということです。

それぞれが天上、海中、地底に通じているとされています。「九似」とは、9つの部分が9つの生き物に似ているということです。具体的には、鹿の角、ラクダの頭、兎の目、牛の耳、蛇の胴体、蜃(しん)の腹、鯉の鱗、鷹の爪、虎の手のひらを意味します。これらの生き物の中で蜃だけは、蜃気楼をつくり出すという架空の生き物で、龍のような姿をしています。

古くから伝わる龍の姿は、この考え方に基づいています。また、龍には、顎の下に逆さに生えた鱗があるそうです。この鱗に触れると、龍は怒り狂うという中国の故事があります。これは、「逆鱗に触れる(げきりんにふれる)」という言葉の由来にもなっています。

龍は、空想上の生き物ですから、実物を見た人はいません。そして、誰も実際の姿を知りません。日本では、神社や仏閣などで、絵、像や彫刻として、その姿を見ることはできます。また、映画やアニメでも、作者好みの龍の姿が描かれています。

伝説上の生き物として描かれる龍には、次のような特徴があります。大きな頭には、長い2本の角、ワニのように大きく裂けた口、太くて長い2本のひげ、鬼のような大きな目、牛のような耳があります。そして、顔のまわりからうなじと背中にはたてがみがあります。胴体は、蛇のように長く、鱗に覆われています。大きくて鋭いかぎ爪がある2本の前足と後足があります。

龍の由来

龍という想像上の生き物は、中国から日本に伝わりました。そのため、中国における龍の起源を探ってみると、古代中国に遡ります。そして、龍の形をした玉(ぎょく)の彫り物が、紀元前6000年頃の新石器時代にありました。

紀元前1600年~1100年頃、中国最古の王朝である商の時代には、青銅器に龍の抽象的な文様が描かれていました。そして、占いのために亀の甲羅や牛の肩甲骨に刻まれた甲骨文字にも、龍の文字が使われていました。龍は、神聖な生き物として、霊獣の中でも最も高貴で尊い生き物だとされていました。

紀元前206年~西暦220年の漢時代には、龍が皇帝の権威の象徴として使われるようになりました。歴史書の「史記」では、漢王朝の初代皇帝である劉邦の誕生について、次のような話でその出自を飾っています。「母親が、沢の畔で居眠りをしていたとき、神にあった夢を見ました。そのとき、母親の上には龍がいました。そして、母親は身ごもり、劉邦が生まれました。」

劉邦は、秦王朝を倒して、楚の国の名門貴族出身である項羽を戦いで破り、天下を取りました。しかし、自らは、農民の出身であったため、新しい王朝を開くに際して、権威を高める必要がありました。そのため、龍を利用して、初代皇帝になるべくしてなった尊い生まれであることを強調したものと思われます。

古代中国では龍は皇帝の象徴でした。そのため、龍顔は皇帝の顔、龍衣は皇帝の衣服、龍影は皇帝の姿を意味していました。そして、龍は、神獣として皇帝の神格化のために使われました。

西暦25年〜220年の後漢の時代に、インドから中国に仏教が伝来しました。インドでは、古くから存在していた蛇神(雨を降らす水の神であるナーガ)が仏教に取り入れられていました。そのため、中国では、龍の信仰と重なり、龍が仏教に取り入れられました。

日本では、弥生時代の土器に龍のようなものが描かれていました。そして、古墳時代につくられた鏡の装飾にも龍が使われていました。また、古墳の壁画にも龍の姿が描かれていました。例えば、奈良県の高松塚古墳には、葬られた人を守る4つの神(東西南北の四方を守る神)の1つとして青龍が描かれています。

6世紀中ごろの古墳時代には、日本にも朝鮮の百済から仏教が伝わりました。仏教に取り入れられていた龍の信仰は、日本古来の自然信仰としての蛇神(水の神)と重なり、龍神信仰ともなりました。

龍神信仰

龍は、水の中に棲み、天に舞い上がり、雨を降らすなど、雷雲や嵐という自然の力を支配する神獣として、崇拝されてきました。そして、龍は、雨を降らす水の神や五穀豊穣をもたらす神としても信仰されてきました。さらに、龍は、空高く、天に昇る姿から、運気を上げると考えられています。そのため、金運や仕事運を上げる神様にもなりました。

日本各地には、九頭龍(くずりゅう)の伝承や神社があります。九頭龍とは、1つの胴体が9つの頭をもっているという想像上の龍のことです。河川が洪水になる様子を九頭龍の姿に見立てたものと考えられています。また、干ばつが続いたときには、生け贄を捧げたり、高僧が祈りを捧げたりして、龍神に対して雨乞いが行われてきました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました