地球の歴史は、先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代という4つの地質時代に大別されます。これらの時代は主に生物の進化と絶滅を基準にして分けられています。そこで、地球の歴史について4部に分けて解説します。第1部では、地球誕生から大型化した多細胞生物が出現した先カンブリア時代について解説します。第2部では、無脊椎動物の出現から哺乳類型爬虫類の出現までの古生代について解説します。第3部では、恐竜が繁栄して絶滅した中生代について解説します。第4部では、人類の祖先が出現して進化していった新生代について解説します。
新生代
新生代は約6600万年前~現在の地質時代のことです。この時代は、古第三紀(約6600万年~2300万年前)、新第三紀(約2300万年~258万年前)、第四紀(約258万年前~現在)の3つに分けられます。さらに、古第三紀は暁新世(約6600万年~5600万年前)、始新世(約5600万年~3390万年前)、漸新世(約3390万年~2300万年前)の3つに分けられます。新第三紀は中新世(約2300万年~533万年前)と鮮新世(約533万年~258万年前)の2つに分けられます。
第四紀は更新世(約258万年~1万1700年前)と完新世(約1万1700年~現在)に分けられます。新生代は、温暖化した気候が寒冷化に進み、現在まで続いています。また、この時代には、中生代白亜紀末の生物大量絶滅を生き抜いた哺乳類と鳥類が進化を続けました。哺乳類からは人類が出現しましたが、その歴史は地球の歴史に比べると、ほんのわずかな時間です。そして、その他の動物や植物も多様化して現在の生物の祖先が現れた時代です。
古第三紀
最初の古第三紀の暁新世から始新世にかけては、大気中の二酸化炭素の濃度が高まり、地球の気候は温暖化しました。始新世の約5000万年前には、現在の北極海沿岸に当たる地域において温帯林が茂るほど温暖化しました。その後、地球の気候は寒冷化していきました。漸新世には、南極大陸の地表に形成された氷床が大きく広がっていきました。現在の気候はこの寒冷化の状態を継続しています。また、アフリカ大陸から分裂していたインド亜大陸がプレートに運ばれて北上していました。
それとともにテチス海は消滅していきました。始新世にはインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突しました。ヒマラヤ山脈はこの時の衝突が引き起こした隆起によって形成されました。さらに、アフリカ大陸がヨーロッパ大陸に衝突しました。アルプス山脈はこの衝突によって形成されました。古第三紀は被子植物が多様化して色々な花を咲かせました。また、古第三紀の暖かい海では、貨幣石と呼ばれる有孔虫(石灰質の殻を持った小さな単細胞生物)の仲間が広く生息して栄えました。
中生代に繁栄した恐竜などの多くの生物は、その時代の終わりとともに絶滅しましたが、新生代が始まると、恐竜から進化した鳥類が繁栄しました。最初の時代の暁新世には、恐鳥類という翼が退化して飛べず、陸上で生活していた大型の鳥類が出現しました。恐鳥類は、体高が2~3メートルで、頑丈な足とかぎ型のくちばしがある大きな頭部を持っていました。そして、木の実などを食べていたと考えられています。恐鳥類を代表する鳥はガストルニスでした。

ガストルニスは、体高が約2メートル、体重は約200キログラム、頭部は約40センチメートルありました。ガストルニスは、ヨーロッパや北アメリカなどの森林や湿地に生息していました。また、暁新世には小型の哺乳類が生き残りました。その後、哺乳類は、多様化して現在生息している哺乳類の祖先へと適応放散していきました。その中で、人類は原猿類、真猿類、類人猿を経て進化してきました。暁新世には、原猿類という原始的な猿が現れて北アメリカ大陸やヨーロッパにおいて繁栄しました。

適応放散とは、共通の祖先を持つ生物が、生息する場所、食べ物、活動時間などの様々な異なる環境に最も適したものに進化して多くの系統に分かれていくことだよ!現在、地球上に多種多様な生物が生息しているのは、まさに適応放散が行われてきたからだよ!

始新世なると、現在生息している哺乳類の原始的な姿が見られるようになりました。約5300万年前には、パキケタスというクジラの祖先が生息していました。パキケタスは、体長1メートルくらいの四つ足の哺乳類で、陸の近くの浅い海を泳ぎながら、魚を捕食していました。この哺乳類がやがて生息場所を海に移していきました。また、この時代には、南アメリカ大陸から南極大陸とオーストラリア大陸が分裂しました。
さらに、南極大陸からオーストラリアが分離を始めました。そして、現在のような南極大陸が成立するまでには、その後、数千万年の時が必要でした。漸新世になると、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類などの進化と多様性がさらに進みました。哺乳類は大型化が進みました。また、大陸の分裂によって地域ごとの特異な進化が見られるようになりました。漸新世初めには最初の真猿類が出現しました。
この時代の終わりには霊長類の種類も増えていきました。約2500万年前には、現在のアフリカ北ケニヤでカモヤピテクスという最古の類人猿が生息していました。そして、新第三紀が始まりました。気候は一般的に温暖でしたが、後半になると寒冷化していきました。そして、南極大陸の氷床は拡大していきました。地球全体の大陸はほぼ現在のような形と配置なりました。この頃、日本列島はユーラシア大陸から分離して日本海が形成されました。
新第三紀
新第三紀には、現在生息している哺乳類の祖先が出揃いました。海では、メガロドンという体長15メートルを超えることもあった巨大な鮫が生息していました。新第三紀の中新世には、霊長類からテナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの祖先が現れました。中新世終わり頃の約700万年前には、現在のアフリカのチャド共和国で、類人猿から初期の人類と言われている猿人が現れました。この猿人は、サヘラントロプス・チャデンシスと呼ばれ、二足歩行で生息していました。


類人猿とはテナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボのことだよ!これらの共通の祖先は約2500万年前に生息していたカモヤピテクスだよ!この最古の類人猿から約2000万年~1600万年前にテナガザルが枝分かれしたんだ!それから、約1500万年前にオランウータンが枝分かれして、約1000万年前にゴリラが枝分かれして、約800万年前にチンパンジーが枝分かれして、約700万年前に猿人が枝分かれして、約200万年前にボノボが枝分かれしたんだ!ちなみに、チンパンジーやボノボと人の遺伝子は99パーセントが同じだよ!

鮮新世後期の約300万年~250万年前、アフリカでは、アウストラロピテクス・アフリカヌスと呼ばれる二足歩行の猿人が現れて生息していました。その後も、このアウストラロピテクス属の複数の猿人が現れました。鮮新世になると、造山運動によってヨーロッパのアルプス山脈、アジアのヒマラヤ山脈、北アメリカのロッキー山脈が隆起していきました。また、パナマ地峡ができて北アメリカと南アメリカが接続しました。
第四紀
地球の歴史において最後の時代が始まりました。第四紀は現在も含め氷河期(5回目)ですので、寒さに適応するため、体が厚い毛で覆われた哺乳類が生息していました。その代表的な動物はマンモス、ケサイ、オオツノジカでした。また、この時代に人類は進化を遂げて世界中へ生息域を広げていきました。この時代の気候は、寒暖が激しく寒さと暖かさが交互に起こりました。すなわち、北半球における大陸氷床が繰り返し拡大したり縮小したりしました。

それに伴って寒冷化と温暖化が一定の間隔で交互に起こったため、海面も低下したり上昇したりしました。そして、海面が低下したとき、氷の通路ができたり、浅い海が陸になったりして大陸や島をつなげました。その結果、多くの動物の移動を可能にしました。つまり、人類や動物が生息する場所を広げていく機会を与えることになりました。第四紀のこの気候変動を氷期・間氷期サイクルと呼びます。第四紀の氷河期において約7万年~1万数千年前には最終氷期(ウルム氷期)がありました。


そして、現在は氷河期のうちの間氷期にあたります。第四紀更新世の初めには、アフリカで初期のホモ属であったホモ・ハビリスが現れました。そして、この頃、ホモ属(ホモ・ハビリス、ホモ・ルドルフエンシス、ホモ・エレクトス)が石器を使用して生息していたと考えられています。人類は猿人からホモ属を経て進化してきました。これらホモ属は、まさに猿人のアウストラロピテクス属に続く人類への進化でした。約190万年前にアフリカで出現したホモ・エレクトスは、石器を作り、狩猟を行い、火を使っていたと考えられています。

そして、アフリカを出てユーラシア大陸へと広がっていきました。アジアで生息していたジャワ原人や北京原人は、このホモ・エレクトスに属していました。また、約50万年前には、ヨーロッパにおいてホモ・ハイデルベルゲンシスが生息していました。ホモ・ハイデルベルゲンシスは、ホモ・エレクトスに比べて脳の容量が増えて、人類により近い振る舞いを行うことができました。また、このホモ属は、体が大きく、男性の成人で身長180センチメートル、体重100キログラムを超えることもありました。

約60万年~40万年前、ヨーロッパでホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)が出現しました。ホモ・ネアンデルターレンシスの脳の容量は、現代人とほぼ同じですが、平均身長は成人の男性が約160センチメートルで、女性が約150センチメートルでした。小集団で移動しながら、槍や斧などの道具を作り、衣服をまとい、火を使い、狩猟して生活していました。また、壁画を描いたり、埋葬の儀式を行ったりもしていました。また、更新世には、正式名が確立していないデニソワ人というホモ属がアジアを中心に広く生息していました。
しかし、これらのホモ属は、約4万年前に絶滅したホモ・ネアンデルターレンシスを最後にすべて絶滅しました。しかし、約30万年~20万年前、アフリカで現生人類の祖先にあたるホモ・サピエンスが現れました。ホモ・サピエンスの呼称は「賢い人」という意味です。そして、ホモ・サピエンスは、進化を続け、知能を発展させて言葉を使うようになりました。約6万年~5万年前には、ホモ・サピエンスは、アフリカを出て、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリアへと移動して生活範囲を広げていきました。

当時は、氷河期の氷期で海面が低下していたため、大陸や島が氷や陸の通路で接続していたところもありました。そのため、ホモ・サピエンスは、小舟で海を渡ったり、接続した通路を通ったりして、世界中へ拡散していきました。すなわち、ホモ・サピエンスは、これまでのホモ属に比べて、極めて卓越した知能を持っていました。そして、ホモ・サピエンスは、世界中に進出して各地域で定着しながら、そこで支配的な立場を占めていきました。その一方で、現地で生活していた原人などは絶滅していきました。
そして、ホモ・サピエンスのみが生き残って私たちの祖先となりました。ちなみに、クロマニヨン人はヨーロッパに進出したホモ・サピエンスのことです。また、ホモ・ネアンデルターレンシスは絶滅しましたが、その生存していた時期には、ホモ・サピエンスがヨーロッパに進出した時期と重なったところがありました。そのため、ホモ・サピエンスは、ホモ・ネアンデルターレンシスと交雑していました。また、ホモ・サピエンスは、先に解説したデニソワ人などとも交雑して、各地域の環境に適応した子孫を残していきました。
そして、ホモ・サピエンスは、その卓越した知能を持って各地域で文化や技術を発展させていきました。当時、人類は、狩猟と採集によって生活していましたが、人口が増えるにつれて、安定して食糧を確保することが必要となりました。最終氷期が終わって比較的温暖な時期に入る約1万年前、人類による農耕が開始されました。その後、人類は集落を発展させて大きな都市を築いていきました。約5500年前、最古のメソポタミア文明が誕生しました。つまり、人類の歴史が始まりました。





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