焼いても、煮ても、揚げても美味しい【サバ】の栄養素と効能をわかりやすく解説!

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食べ物・飲み物

鯖(サバ)

日本でよく食べられているサバは、マサバ、ゴマサバ、大西洋サバの3種類です。マサバは、日本沿岸で獲れ、主に茨城県や長崎県における漁獲量が多いです。マサバは、背中が青緑色で、腹が白銀色です。マサバは、切った断面が平べったいので、ヒラサバとも呼ばれています。マサバの旬は秋から冬の寒くなる時期です。

ゴマサバは、主に三重県や宮崎県における漁獲量が多いです。ゴマサバは、腹にかけて小さな黒い斑点があります。ゴマサバは、切った断面が丸みを帯びているので、マルサバとも呼ばれています。ゴマサバの旬は夏の時期です。

大西洋サバはノルウェーの近海で獲れます。大西洋サバは、マサバのように背中が青緑色で、腹が白銀色です。旬の時期は冬ですが、日本には、通常、加工品として輸入されるので、年間を通して食べられます。

そして、サバに含まれる主な栄養素には、タンパク質、DHA・EPA、ビタミンD、ビタミンB群、ナイアシン、鉄があります。

サバのタンパク質の効能

サバにはタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、生命を維持したり、体を動かしたりするために必要とする三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物(糖質))の1つです。三大栄養素はエネルギー産生栄養素とも呼ばれます。

そして、タンパク質は体をつくる材料となる栄養素です。すなわち、タンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されています。20種類のアミノ酸のうち、11種類は、体内で合成できるため、非必須アミノ酸と呼ばれています。

9種類は、体内で合成できないため、必須アミノ酸と呼ばれ、食品から摂取する必要があります。アミノ酸は、体内に吸収されると、筋肉、骨、臓器、皮膚、毛髪、爪などの材料として使われる重要な成分です。

また、アミノ酸は、体の様々な働きを調節する物質であるホルモン、体内で様々な化学反応を引き起こすための触媒になる酵素、そして、体を守るための免疫物質などにもなります。

サバのDHA・EPAの効能

サバにはDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。両方とも不飽和脂肪酸で、体内で合成することができません。そのため、食品から摂取する必要があります。

DHA・EPAには、血液をサラサラにする働きがあるため、生活習慣病を予防したり、脳の働きを良くしたりする効果があります。すなわち、DHA・EPAには、血栓がつくられるのを防いだり、LDL(悪玉)コレストロールや中性脂肪を減らしたり、HDL(善玉)コレストロールを増やしたりする働きがあることから、

脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化による病気を予防する効果があります。また、DHA・EPAには、脳の老化や痴呆症を改善したり、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状を緩和したり、脂肪の燃焼を促進したりする効果も期待できます。

さらに、DHAは、脳や目の網膜に多く含まれています。そのため、脳内の神経伝達物質を増やして、記憶力や学習能力を向上させたり、近視を改善して視力を回復したりする効果も期待されています。

サバのビタミンDの効能

サバにはビタミンDが多く含まれています。ビタミンDは水には溶けない脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンDは、小腸でのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。そのため、骨の成長や再構築にとって必要な栄養素です。

また、ビタミンDは免疫力を高める栄養素としての働きがあります。すなわち、ビタミンDには、細菌やウイルスを食べて破壊するマクロファージという免疫細胞を活性化する働きがあります。

そして、ビタミンDは、マクロファージの攻撃によって炎症を引き起こすタンパク質を減らし、炎症を抑えるタンパク質を増やす働きがあります。さらに、ビタミンDは、体の表面で病原菌が増えないようにするバリア機能を高める抗菌ペプチド(カテリシジンとディフェンシン)というタンパク質をつくるのを助ける働きがあります。

このように、ビタミンDは、免疫機能を促進して、風邪、インフルエンザ、肺炎などの感染症を予防するために重要な役割を果たしています。

サバのビタミンB1の効能

ビタミンB1は水溶性のビタミンB群の一種です。ビタミンB1は、炭水化物(糖質)の代謝を促進します。すなわち、糖質からエネルギーをつくり出すうえで不可欠な微量栄養素がビタミンB1です。

エネルギーが不足すると、疲れやすくなりますが、ビタミンB1によりエネルギーが十分につくり出されれば、疲労回復に効果があります。また、ビタミンB1には、脳内神経や末梢神経系を健康に保つ働きがあります。

すなわち、糖質は、体に吸収されるとき、ブドウ糖などに分解されますが、脳は、ブドウ糖をエネルギー源としています。そして、ビタミンB1は、ブドウ糖からエネルギーをつくり出す反応に関与しています。

ビタミンB1が不足すると、ブドウ糖からエネルギーを十分につくり出すことができず、脳は疲労しやすくなります。そのため、脳内の情報伝達機能に支障が生じて、記憶障害などの症状があらわれます。そして、末梢神経にも影響を及ぼします。

サバのビタミンB2の効能

ビタミンB2は水溶性のビタミンB群の一種です。糖質、タンパク質、脂質のエネルギー代謝を促進します。すなわち、ビタミンB2は、酸化還元酵素の補酵素として、この3種類のエネルギー産生栄養素がエネルギーに変わるのを促進します。

ビタミンB2は、皮膚、毛髪、爪などの細胞を再生する働きに関与しており、粘膜を保護する働きもあります。そして、ビタミンB2は、成長期の子供にとって重要な栄養素であり、発育のビタミンとも呼ばれています。

また、ビタミンB2は、酵素と一緒に働いて、過酸化脂質の分解を促進する効果があります。過酸化脂質は、体内に蓄積すると、細胞を傷つけ、老化を進行させるため、動脈硬化やがんなどの生活習慣病を引き起こすおそれのある物質です。

サバのナイアシン(ビタミンB3)の効能

ナイアシンは水溶性のビタミンB群の一種です。ナイアシンもまた、酵素の働きを助ける補酵素として、糖質、タンパク質、脂質のエネルギー代謝を促進するなど、様々な酵素反応に関与しています。

また、ナイアシンは、精神を安定させたり、粘膜や皮膚の健康を維持したり、血行を促進したりするなど、体を正常に機能させるために必要な栄養素です。

サバのビタミンB12の効能

サバにはビタミンB12が多く含まれています。ビタミンB12は水溶性のビタミンB群の一種です。ビタミンB12は、酵素を助ける補酵素として、アミノ酸の代謝などの様々な代謝に関与しています。

また、多くの体内組織の機能を正常に維持するために必要な栄養素です。特に、ビタミンB12は正常な赤血球をつくり出すうえで重要な役割を果たしています。赤血球をつくるためにはビタミンB12と葉酸を必要とします。

これらが不足すると、正常な赤血球が形成されず、巨赤芽球性貧血(赤芽球が巨大化して赤血球になれないため、正常な赤血球が減少することによる貧血)という悪性貧血を患います。

さらに、ビタミンB12と葉酸は、核酸やアミノ酸などの合成を助けることによって、神経細胞を健康に保つ効果があります。すなわち、脳内神経の機能を正常に維持したり、末梢神経の障害を修復したりする効果があります。

サバの鉄の効能

鉄はヘモグロビンの構成成分です。赤血球の中にあるヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素と結びついて、酸素を全身に運ぶとともに、体内の組織に溜まっている二酸化炭素を回収して、肺まで運ぶ働きをしています。

鉄が不足すると、ヘモグロビンを十分に合成することができず、血液中のヘモグロビンが減少して鉄欠乏性貧血になります。その結果、酸素が体内の組織にうまく行き渡らなくなり、疲労感、動悸、息切れ、立ちくらみなどの症状があらわれます。



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