柿の栄養素
秋から冬にかけて、店頭にオレンジ色の柿がたくさん並んでいるのをよく見かけます。柿は、ビタミンCや食物繊維などが豊富に含まれている果物です。この季節には、旬の果物として、甘くて美味しい柿を味わうことができます。
柿には、色々な栄養素が含まれています。その主な栄養素としては、食物繊維、ビタミンC、カリウム、β-カロテン/ビタミンAがあります。これらの栄養素の健康への効果を理解すれば、一味違う柿の美味しさを楽しむことができるかもしれません。
柿の食物繊維の効能
柿には多くの食物繊維が含まれています。食物繊維は、人の消化酵素では消化されずに、大腸まで到達します。食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に大きく分けることができます。
そして、柿には、不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、大腸で水分を吸収して便を大きくして、増やします。これにより、大腸は、内部から刺激され、便通が促進されます。つまり、不溶性食物繊維は便秘を改善します。
食物繊維は、腸内で糖やコレステロールなどを吸着して、便と一緒に身体の外に排出する働きがあります。そのため、便秘を改善するとともに、肥満、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を防止したり、改善したりする効果が期待できます。
また、食物繊維には、腸内で有害物質を吸着して、身体の外に排出する働きがあります。そのため、大腸がんを予防することも期待されます。さらに、食物繊維は、大腸内で、細菌により発酵及び分解されると、善玉菌のエサとなります。すなわち、善玉菌が増えて、腸内環境も改善されます。
柿のビタミンCの効能
柿には、ビタミンCが豊富に含まれています。人は体内でビタミンCをつくることができません。摂取しても身体の外に排出されるため、普段から食事で補うことが必要です。
ビタミンCには、活性酸素が増えるのを抑制する抗酸化作用があります。そのため、老化を防止したり、生活習慣病を予防したりする効果が期待されます。柿には、強い抗酸化作用を持つβ-カロテンも多く含まれているため、ビタミンCとの相乗効果で免疫力が高まり、風邪などの病気を予防する効果もあります。
ビタミンCは、コラーゲンをつくるうえで不可欠な栄養素です。すなわち、皮膚、骨や粘膜などの健康を維持するために役立ちます。すなわち、若々しい肌などを保つ効果が期待できます。
また、メラニン色素が皮膚に沈着して、シミ、そばかすができますが、ビタミンCは、チロシンからメラニンをつくりだすチロシナーゼという酵素の働きを抑制して、メラニン色素の沈着を防ぎます。すなわち、シミ、そばかすを予防することが期待できます。
柿のカリウムの効能
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して、一定に保つ働きがあります。すなわち、細胞の水分を維持したり、浸透圧を調整したりする働きを持つミネラルです。また、カリウムは、体内のナトリウムを身体の外に出しやすくするため、塩分のとり過ぎを調節する働きがあります。そのため、むくみや高血圧を改善することが期待できます。
カリウムは、神経の興奮性や筋肉の収縮にも関係しているので、このような働きを維持するうえで必要なミネラルです。一方、不足すると、食欲不振、筋無力症、精神障害や不整脈などの症状が現れることがあります。
ちなみに、干し柿には、生の柿よりもさらに多くのカリウムが含まれているよ!
柿のタンニンの効能
タンニンは、ポリフェノールの一種で、渋みの成分です。タンニンには抗酸化作用があります。すなわち、身体の酸化を防ぐ働きがあるため、老化や動脈硬化などの生活習慣病の原因となる活性酸素が増えるのを抑制する効果があります。
また、タンニンにはアルコールの分解を助ける働きもあります。すなわち、タンニンは、アルコールが肝臓で分解されたときに発生する毒性物質(アセトアルデヒド)と結合して、身体の外に排出する働きがあります。そのため、飲酒前に柿を食べると、二日酔いを防止する効果があります。
柿のβ-カロテンの効能
β-カロテンには、タンニンと同じように、体内で活性酸素が増えるのを抑制する抗酸化作用があります。そのため、β-カロテンは、身体の酸化により起こる老化や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。
また、体内に摂取されたβ-カロテンは、必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAには、目や皮膚の健康を維持する効果があります。すなわち、肌荒れやニキビを改善する働きが期待できます。また、ビタミンAには粘膜を強くする働きもあります。そのため、鼻や喉の粘膜を健康に保ち、風邪の予防にも役立ちます。
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