【FRBとは？】FRB議長は世界経済に影響を及ぼす人物です！わかりやすく解説！

FRBの役割と構成
FRBの組織
FOMCの委員と役割
中央銀行制度としてのFRS

FRBの役割と構成

FRBは連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略称です。1913年に連邦準備局として創設され、1935年に連邦準備制度理事会という名称に変更されました。FRBは、米国における金融政策を決める最高意思決定機関として、雇用の最大化と物価の安定を達成することを目的としています。

このように、FRBは、中央銀行の役割を担いますが、中央銀行の業務を実施するのは、各地区の連邦準備銀行になります。FRBは、大統領によって指名され、上院で承認される7名の理事により構成されています。そして、理事の中から議長1名と副議長2名が同じ手続きで任命されます。議長は、世界の基軸通貨であるドルの番人です。

FRBは、日本銀行のように独立した政府機関で、FOMC(連邦公開市場委員会)において金融政策などを決定します。そして、各地区の連邦準備銀行が決定された政策などを実行します。その決定は、日本経済をはじめ、世界経済にも影響を及ぼします。

FRBの組織

FRBの組織とは、ワシントンD.C.にあるFRBと12の地区にある連邦準備銀行です。12地区の銀行は次のとおりです。

マサチューセッツ州のボストン連邦準備銀行
ニューヨーク州のニューヨーク連邦準備銀行
ペンシルベニア州のフィラデルフィア連邦準備銀行
オハイオ州のクリーブランド連邦準備銀行
バージニア州のリッチモンド連邦準備銀行
ジョージア州のアトランタ連邦準備銀行
イリノイ州のシカゴ連邦準備銀行
ミズーリ州のセントルイス連邦準備銀行
ミネソタ州のミネアポリス連邦準備銀行
ミズーリ州のカンザスシティ連邦準備銀行
テキサス州のダラス連邦準備銀行
カリフォルニア州のサンフランシスコ連邦準備銀行

FOMCの委員と役割

FRBは、FOMC:Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)という会合を通常は8回ペースで開催します。FOMCの委員は、FRB理事の7名、ニューヨーク連邦準備銀行総裁、そして、ニューヨーク以外の11地区の連邦準備銀行総裁のうち順番で4名、合計12名によって構成されています。

この12名は、FOMCの決定において投票権を持っています。なお、投票権を持たない残りの総裁もFOMCに出席して、議論には参加します。

FOMCでは、インフレ率、賃金上昇率、失業率などの景気指標に基づき、経済状況、景気判断、政策方針などが話し合われ、金融政策などが決定されます。そして、FRB議長によって、その時の景気判断とともに政策金利の方針などが発表されます。

その発表内容は、米国の株式市場や為替レートの変動に影響を与えます。また、米国経済は世界経済の中心であるため、内容によっては、世界の金融市場をはじめ、世界経済にも大きな影響を及ぼすことにもなります。

FRB議長の発言は、このように

世界経済を動かすこともあるので、

世界中がその発言に注目しているよ。

例えば、FOMCにおいて利上げの方針が決定された場合、米国において金利が上がることになります。すなわち、ドルの金利が高くなるので、ドルを買う注文が増えます。その結果、ドルの価値が上がり、円の価値が下がります。つまり、ドル高円安になります。

米国では、金利が高くなるため、企業は銀行からの借入を控えるようになります。すなわち、企業は事業の成長や拡大を控えるようにするため、株価は下落傾向になります。そして、この動向は、世界の金融市場にも影響を与えることになります。

FOMCの会合後には、議事録の要旨が公表されます。その要旨には、金融政策などが決定されるに至った議論の経過が記録されています。そのため、今後の景況や金融政策を占ううえで重要な資料になります。

中央銀行制度としてのFRS

FRSは連邦準備制度(Federal Reserve System)の略称です。1913年に制定された連邦準備法に基づいて創設されました。Federalの頭3字をとってFed(フェッド)とも呼ばれます。FRSは米国の中央銀行制度のことです。

FRSは、連邦準備制度理事会(FRB)、12地区の連邦準備銀行、FRSに加盟している市中銀行、連邦公開市場委員会(FOMC)及び連邦諮問委員会(FAC)によって構成されています。

FACはFederal Advisory Council(連邦諮問委員会)の略称です。FACは、FRBに対して、管轄する様々な事柄について助言を行う機関です。少なくとも年４回は開催されることになっています。FACの委員は、各連邦準備銀行において選出された代表によって構成されています。

FRSの下で、FRBが全米12地区の連邦準備銀行を統括しています。すなわち、FRBは、FRSの統括機関として、FOMCにおける決定に基づいて金融政策などを示します。これを受けて、各連邦準備銀行は、政策を実施するとともに、FRSの加盟銀行(市中銀行)の監督や規制、ドル紙幣の発行などの業務も実施しています。

なお、公開市場操作は、FOMCにおける決定に基づき、ニューヨーク連邦準備銀行によって実施されます。公開市場操作とは、金融市場における国債などの取引を通して、資金供給をコントロールしながら、景気を調節することです。