【スーパーコンピューター】富岳などのスパコンの仕組みや性能をわかりやすく解説!

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

経済・科学

スパコンの仕組み

スパコンは、非常に高速な計算処理を行えるコンピューターのことです。すなわち、パソコンが膨大な時間を必要とする高度な計算を、スパコンは非常に短時間で解くことができます。

スパコンが、このような高い性能を発揮するためには、膨大な数のCPU(中央演算処理装置)を使用する必要があります。通常、私たちは、CPUが1個だけ搭載されているパソコンを使っています。

一方、スパコンには数万~数十万個のCPUが使用されています。例えば、日本の最新スパコンである「富岳」には、約16万個の高性能のCPUが使用されています。

そして、スパコンの性能を高めるためには、複数の高性能CPUが取り付けられた装置を何万台も接続するだけでなく、CPUが同時に効率よく機能するためのシステムを構築する必要があります。

スパコンは次のように組み立てられているよ。

複数のCPUやメモリーなどが取り付けられた装置が、

1台のラックに多数搭載・接続され、さらに、

このラックが何百台も接続されて、スパコンになるよ!

CPU

CPUとは、Central Processing Unitの略で、中央演算処理装置のことです。これがコンピューターの頭脳の役割を果たしています。CPUの性能は、コア、スレッド、クロック周波数、キャッシュ容量で示すことができます。

コアとは演算処理を行う部分です。コアの数が多いほど、同時に行う処理の数が増えます。つまり、より多くの処理を同時に行うことができます。例えば、複数のアプリを同時に使うとき、又は動画編集などで複数の処理を同時に行うことができるアプリを使うときは、コアの数の多いCPUが必要になります。

スレッドとは、CPUが同時に処理できる作業の数を表す単位です。そして、スレッド数は「論理コア数」とも呼ばれています。例えば、物理コア数と論理コア数が同じ場合は、1コア1スレッドと表示されています。

最近は、1個のコアの処理能力に余力があるとき、他の処理も同時に行うことができるようになりました。この場合には、1コア2スレッドと表示されます。すなわち、物理コア数よりコア数(論理コア数)が多いと認識して、効率的に作業を行うことができます。

クロック周波数(動作周波数)とは、CPUの処理速度を示す数値で、CPUが1秒に動作する回数のことです。単位はGHz(ギガヘルツ)で表します。例えば、クロック周波数が1GHzのCPUは、1秒間に10億回の処理ができます。

そして、クロック周波数は大きいほど、処理速度は速くなります。すなわち、この周波数がより大きくなると、1秒間により多くの処理を行うことができます。一方、処理速度に比例して消費電力は大きくなります。

キャッシュとは、CPUに内蔵されている記憶媒体で、データを一時的に保存する機能です。キャッシュは、メモリーよりも速く処理することができます。すなわち、データを使うとき、キャッシュに一時保存して、処理をより高速化します。そのため、キャッシュ容量が大きいほど、処理速度が速くなります。

スパコンの演算方法

スパコンには、演算の高速化を実現するため、高性能のCPUが搭載されています。そして、演算方法にはスカラー型とベクトル型があります。スカラー型は、データを1つずつメモリーから取り出して計算します。

スカラー型は、色々な計算に対応できますが、CPUとメモリーの間でデータをやり取りするので、データを取り出すのに時間がかかり、動作は遅くなります。すなわち、スカラー型は、データを細分化してそれぞれ順次に計算することが得意です。

そのため、スカラー型は、並列する数を多くして性能を向上させてきました。例えば、スパコン「京(運用期間: 2012~2019年)」や「富岳(運用開始:2021年)」は、この型のCPUを使用しています。

これに対して、ベクトル型は、一度に複数のデータをメモリーから取り出して、まとめて計算することができます。そのため、CPUとメモリーの間でデータのやり取りが少なくなり、より速く計算することができます。

すなわち、ベクトル型は、複数のデータをまとめて計算することが得意です。そのため、ベクトル型は、CPUの計算能力を上げて性能を向上させてきました。 例えば、スパコン「地球シミュレータ(第4世代の運用開始:2021年)」は、この型を使用しています。

スパコンの並列コンピューティング

また、スパコンは、膨大な数のCPUを同時に動かして、計算処理を高速化しています。これを並列コンピューティングと呼びます。すなわち、並列コンピューティングとは、多数のコンピューター(膨大な数のCPU)が接続されて、1個のコンピューターとして動作することです。

具体的には、多数のコンピューターで、大量のデータを分割して同時に処理します。これによって、処理速度を高速化し、計算時間を短縮することができます。

そして、並列コンピューティングの性能を最大限にするためには、それぞれのCPUに計算処理を適切に配分して、それぞれの計算結果を瞬時にまとめるなどの機能を効率的に働かせる必要があります。そのため、それを実現するための高度なプログラミングやネットワーク技術も必要となります。

スパコン「富岳」の計算速度

スパコンの計算速度(1秒間に計算できる回数)の世界ランキング「TOP500」の発表では、2020年6月から2021年11月まで、「富岳」は世界第1位を維持していました。しかし、2023年11月の発表では第4位に落ちました。

ちなみに、第1位から第3位は米国のスパコンです。第1位のフロンティアの計算速度は119.4京回です。第2位のオーロラは58.5京回です。第3位のイーグルは56.1京回です。そして、第4位の富岳は44.2京回です。京とは兆の1万倍です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました