【人工衛星(Satellites)】軌道、速度、種類をわかりやすく解説!

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経済・科学

人工衛星の軌道

人工衛星は、気象、放送、GPS(全地球測位システム)など、毎日の生活に必要な様々なサービスを提供するため、上空高く、地球の周囲を高速で飛行して、その役割を果たしています。

すなわち、様々な人工衛星が、それぞれの目的に合わせて、地球の周回軌道上を飛行しながら、必要なサービスを提供しています。軌道とは、物体(人工衛星)が移動する道筋のことです。人工衛星が地球を周回するための軌道には、低軌道、中軌道、高軌道(静止軌道)があります。

低軌道(LEO: Low Earth Orbit)とは、高度200km~2,000km程度の軌道のことです。非常に多くの人工衛星が、地球観測などのためにこの軌道上を飛行しています。例えば、国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)は、秒速7.8kmで高度400km前後の低軌道上を周回しています。

低軌道には、地上までの距離が近いことから、観測のための画像を高画質で撮影できたり、電波の出力を小さくできたり、衛星を小型化できたり、打ち上げコストを削減できたりするメリットがあります。

宇宙には、宇宙線という人体に有害な

放射線が飛び交っているから、

宇宙線を浴びるのを極力避けるためにも、

ISSのような有人の人工衛星は低軌道

(人体の安全のためには500km以下)を飛行しているんだ!

中軌道(MEO: Middle Earth Orbit)とは、高度2,000km~36,000km程度の軌道のことです。低軌道に比べて、広範囲の地表を対象にすることができます。また、測位衛星(位置情報の計測用衛星)は、高度約20,000kmの中軌道で運用されています。

高軌道/静止軌道(GEO: Geostationary Earth Orbit)とは、高度36,000km程度の軌道のことです。気象、通信や放送のための人工衛星がこの軌道上で運用されています。静止軌道を飛行する人工衛星は、上空で静止しているわけではありません。

静止軌道を飛行する人工衛星は、地球の自転(24時間で1回転)と同じ速さで、赤道上空の軌道を周回しています。そのため、地上からは静止しているように見えます。そして、静止軌道上の人工衛星は、常にほぼ同じ範囲の地表を対象にしています。

人工衛星の速度

人工衛星が地上に落下しないように飛び続けるためには、地球の表面で秒速約7.9kmの速さが必要です。これを「第一宇宙速度」と呼びます。これはジェット旅客機の約30倍の速さになります。

もちろん、地表では空気抵抗があるため、第一宇宙速度で、人工衛星のように飛び続けることはできませんが、宇宙では、この速度を超えると、地球を周回し続けることができます。

宇宙で飛行するのに必要な速度には、第一宇宙速度のほかに、

第二宇宙速度と第三宇宙速度があるんだ!第二宇宙速度とは、

地球の重力から脱出するために必要な速度で、秒速約11.2kmだよ。

第三宇宙速度とは、地球の重力から脱出してから、

太陽の重力を振り切るために必要な速度で、

秒速約16.7kmだよ。想像を超える速さだね!

地球から離れるほど、地球の重力は弱くなります。そのため、低軌道から高軌道になるほど、人工衛星が必要とする速度は低下していきますが、高い軌道になるほど、人工衛星の打ち上げには多くの燃料が必要となります。

例えば、高度約400kmの軌道上の人工衛星は、秒速約7.7kmの速度が必要になります。この軌道上にはISSが飛行しています。そして、ISSは約90分で地球を1周します。

また、高度約36,000kmの軌道を周回するためには、秒速約3.1kmの速度が必要になります。この静止軌道上には、気象衛星の「ひまわり」が地球を約24時間で1周しています。

人工衛星の種類

人工衛星には、地球観測衛星、通信・放送衛星、測位衛星などがあります。地球観測衛星は、大気、海洋、陸上などの地球環境の観測をはじめ、自然災害の監視、資源の調査などために利用されています。例えば、気象衛星は地球観測衛星に含まれます。

地球観測衛星には専用のセンサが搭載されています。センサは、上空から海、雲、森林などから反射したり、放射したりする電磁波を計測して、大きさ、形状、性質などを観測します。これを「衛星リモートセンシング」と呼びます。

通信衛星は、電話などの通信を行うための人工衛星で、山間部や離島など、地上回線を利用するのが困難な場合、船舶や航空機など、移動通信サービスを提供する場合、そして、非常時に通信手段を確保する場合などのために運用されています。また、通信衛星は、CS(Communication Satellite)放送にも利用されています。

放送衛星は、地上局から送信された放送電波を中継して、各家庭で直接受信できるように運用されています。BS(Broadcasting Satellite)放送やTV中継がそれに該当します。

測位衛星は、全地球航法衛星システム(GNSS: Global Navigation Satellite System)による位置情報の計測のために運用されています。すなわち、GNSSの受信機は、4つ以上の測位衛星から電波を受信して位置を計測しています。具体的には、受信機が、それぞれの測位衛星から送信された信号の到達時刻を確定します。

測位衛星から送信した信号には、送信した時刻の情報が入っています。そのため、到達時刻との差が、到達するまでの時間となります。この時間に電波の速度をかけます。これが測位衛星と受信機との距離になります。このような計算から位置情報が計測されます。

「距離=時間×速さ」の方程式だね!

この方程式は、小学校高学年の算数で習うよね!

測位衛星は、GNSSとして、米国のGPS(Global Positioning System)をはじめ、欧州連合(EU)、ロシア、中国、インド、日本によって運用されています。

 

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