コーヒーの渡来
コーヒーは、江戸時代の後期にオランダ人の商人によってもたらされました。当時、日本は鎖国をしていたので、外国からの渡来品は長崎の出島に持ち込まれました。
そのため、コーヒーを飲むことができたのは、現地にいた役人や商人など一部の人たちに限られていました。また、そこから江戸の社会に広まることはありませんでした。
オランダ人がもたらしたコーヒーは、その後、幕末から明治時代にかけて、西洋文化が積極的に取り入れられるようになったことに伴って、コーヒーも日本において徐々に広まっていきました。そして、現在、多くの人たちによってコーヒーは飲まれています。
コーヒーの成分
コーヒー豆の主な成分としては、糖類、たんぱく質、脂質、ポリフェノール、カフェインなどがありますが、コーヒーとして飲むときには、糖類、たんぱく質、脂質はほとんどなくなります。
健康に効果がある成分としては、カフェインとポリフェノールがあります。カフェインはよく知られていますが、クロロゲン酸というポリフェノールも多く含まれており、このクロロゲン酸はカフェインよりも多く含まれています。
コーヒーのカフェインの効能
カフェインには眠気を覚ます効果があることはよく知られています。朝、眠気覚ましにコーヒーを飲んでいる人たちは多いと思います。カフェインは、眠気をもたらすアデノシンという物質の働きを妨げるため、覚醒効果があります。
カフェインには利尿作用があります。このため、カフェインは、むくみや高血圧を予防し、体内の老廃物を排出するうえで効果があります。
他方、カフェインを摂りすぎると、利尿作用が進み、脱水症状にもなりかねません。また、摂りすぎによって依存症や不眠症になることもあり、中毒症状を起こすこともあります。
カフェインは、血管を拡張する働きもあるので、基礎代謝を高めることが期待できます。基礎代謝を高めると、摂取した栄養を効果的に利用することができます。つまり、それは、丈夫な体をつくるとともに、ダイエット効果にもなります。
また、カフェインには、胃酸の分泌や消化のための働きを促し、食べ物の消化吸収を助ける効果あります。したがって、空腹のときは、カフェインを摂りすぎないように注意してください。
そのほか、カフェインは、中枢神経を刺激するので、自立神経の働きを高めたり、運動能力を向上させたりする効果もあります。
カフェインは、体に良い効果が期待できる反面、
摂りすぎると、健康を害することもあるので、
気を付けないとね！
コーヒーのポリフェノールの効能
クロロゲン酸というポリフェノールは、抗酸化作用を持つ物質の一種です。抗酸化作用は、体内でつくられている活性酸素を取り除いたり、その働きを抑えたりします。
活性酸素は、少量であれば、体に良い働きをしますが、大量につくられると、免疫機能の低下、動脈硬化、がん、皮膚のシミやしわなどの老化の原因になります。
クロロゲン酸には、インスリンを分泌する膵臓を守る働きや体内で糖の合成を抑える働きがあると言われています。つまり、糖尿病を予防できる可能性があります。
クロロゲン酸にも、胃酸の分泌を促して、胃の消化を助ける働きがあります。さらに、クロロゲン酸は脂肪の燃焼も促進します。このため、肥満を予防する効果があり、脂肪肝を予防する効果も期待できます。
コーヒーと健康
コーヒーを習慣的に飲む人は、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患による死亡のリスクが低下したという調査報告があるそうです。
すなわち、コーヒーは、血液をサラサラにして、脳梗塞や心筋梗塞を防いでくれると考えられています。また、コーヒーには、気管支を拡張する作用があるので、呼吸器の機能を改善する効果もあると言われています。
コーヒーは、適量であれば、体に良い効果があります。しかし、摂りすぎると、動悸、不眠、吐き気、下痢など、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
1日にコーヒーを飲む量は、コーヒーカップに4杯くらいが目安になると言われています。適量を維持して、美味しいコーヒーを楽しんでください。
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