【空に浮かぶ雲】についてわかりやすく解説!

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歴史・文化・自然

雲とは

空を見上げると、青空にぷっかりと浮かぶ白い雲、上空高く浮かぶ白くて薄い雲、空を覆う灰色の雲など、その時々で、色々な種類の雲を見ることができます。雲は大気中に浮かぶ水や氷の粒が集まったものです。

すなわち、上空の水蒸気が冷やされて、水や氷の粒になり、それがたくさん集まっているのが雲です。たとえば、夏にグラスに冷たい飲み物を入れて、テーブルなどの上に少し置いておくと、グラスに付いた空気中の水蒸気が冷やされて、水の粒になるのを見ることができます。

雲を構成している水の粒もこのようなものと考えられます。そして、雲を構成している水の粒を雲粒(くもつぶ/うんりゅう)、氷の粒を氷晶(ひょうしょう)と呼んでいます。これら2つをまとめて雲粒子(くもりゅうし)と呼んでいます。その大きさは、おおよそ半径0.001~0.01ミリメートルです。

雲はどのようにしてできるのか

地上にある海や川などの水(液体)は、太陽から照らされる光の熱によって蒸発していきます。すなわち、水は水蒸気(気体)となって、空気中に入っていきます。空気に含まれる水蒸気の量は、空気の温度が高いほど増えていきます。

1立法メートルの空気に含まれる最大の水蒸気量を

飽和水蒸気量と言うよ!

飽和水蒸気量は、空気の温度が上がると増えるんだ!

たとえば、気温が15度のとき、飽和水蒸気量は12.8グラム、

20度のとき17.3グラム、25度のときには23.0グラムになるんだよ!

同時に、太陽光の熱(近赤外線など)は、空気にほとんど吸収されることなく、地面に到達して吸収されます。そして、地面を徐々に温めていきます。温められた地面は遠赤外線を放出するようになります。

放出された遠赤外線は、空気中にある二酸化炭素や水蒸気などに吸収されていきます。この働きによって、遠赤外線は、空気中に熱として蓄積されるため、気温が上昇していく効果をもたらします。これは温室効果と呼ばれています。

この温室効果によって地表面の近くにある空気は温められます。そして、温められた空気は軽くなって上昇していきます。これを上昇気流と呼びます。水蒸気も上昇気流に乗って上空に上がっていきます。

上空に行くと気温が下がるため、気体の水蒸気は液体の水に変化します。この現象を気象学では凝結と呼びます。そのとき、水蒸気は、空気中にあるホコリやチリなどの凝結核に付着して水滴や氷の結晶になります。

すなわち、高度が上がるにつれて気温が下がるため、水蒸気は、上昇しながら、冷やされ、水滴や氷の結晶に変わっていきます。このような雲粒子が、上空で浮遊しながら集まることによって、雲を形成していきます。そのため、上昇気流が多く発生するところでは、雲も多く発生することになります。

雲にはどのような種類があるのか

世界気象機関は雲を次の10種類に分類しています。それは、巻雲(けんうん/まきぐも)、巻積雲(けんせきうん)、巻層雲(けんそううん)、高積雲(こうせきうん)、高層雲(こうそううん)、乱層雲(らんそううん)、積雲(せきうん)、層積雲(そうせきうん)、層雲(そううん)、積乱雲(せきらんうん)です。

これは、雲ができるときの高さや雲の形などによって分けられ、十種雲形と呼ばれています。そして、この十種雲形は、雲の高さによって上層雲、中層雲、下層雲に分けられます。上層雲とは5,000メートル以上の上空にある雲のことです。上層雲には巻雲、巻積雲、巻層雲があります。

中層雲とは2,000〜7,000メートルくらいの上空にある雲のことです。中層雲には高積雲、高層雲、乱層雲があります。下層雲とは2,000メートル以下の上空にある雲のことです。下層雲には積雲、層積雲、層雲、(※積乱雲)があります。

巻雲

巻雲は、すじ雲とも呼ばれ、ハケで描いたような細長い形をしています。そして、巻雲は、5,000~13,000メートルの上空に発生する上層雲で、雲の中では最も高いところに現れます。大気の温

度が非常に低いため、巻雲は氷晶でできています。日本の上空では、湿度やジェット気流の関係で、晴れた秋の空に巻雲をよく見ることができます。

巻積雲

巻積雲は、うろこ雲、いわし雲、さば雲とも呼ばれ、小さなかたまりの雲がまさに鱗のように並んでいる雲です。そして、巻積雲は、5,000~13,000メートルの上空に発生する上層雲です。

巻積雲は、高積雲と似ていますが、高積雲よりも高い上空で発生します。そのため、一つ一つの雲のかたまりが小さく見えます。日本の上空では、秋の空に巻積雲をよく見ることができます。

巻層雲

巻層雲は、うす雲、かすみ雲とも呼ばれ、空全体にうすく広がります。そのため、晴れていても、空が白くなったように見える雲です。そして、巻層雲は、5,000~13,000メートルの上空に発生する上層雲です。

「太陽がかさをかぶると雨」という天気のことわざがあります。これは、太陽や月にうす雲(かさ)がかかっているときは、雨が降る兆候を示しているという意味です。

すなわち、この雲が現れると、温暖前線が近づいていることが多く、雨が降る確率も高くなると言われています。日本の上空では、秋の空に巻層雲をよく見ることができます。

高積雲

高積雲は、ひつじ雲とも呼ばれ、羊が群れをなして並んでいるように見える雲です。高積雲は、一つ一つの形が大きく、ふかふか、もこもこしているように見えるため、羊の姿を連想しますが、色々な形に見えることもあります。

そして、高積雲は、2,000~7,000メートルの上空に発生する中層雲です。日本の上空では、季節に関係なく一年中、高積雲を見ることができますが、秋の空には多く現れます。

高層雲

高層雲は、おぼろ雲とも呼ばれ、空の広範囲を薄灰色で覆う雲です。この雲によって太陽は曇りガラスを通したようにおぼろに見えます。そして、高層雲は、2,000~7,000メートルの上空に発生する中層雲です。

高層の雲と書きますが、上述したように中層雲に分類されます。雲は雲粒(水の粒)でできていることが多く、雨を降らせることもあります。高層雲が発達して乱層雲になると、雨雲として雨が降り始めます。日本の上空では、春の空に多く現れます。

乱層雲

乱層雲は、雨雲や雪雲とも呼ばれ、太陽の光を遮る濃い灰色の厚い雲です。そして、乱層雲は、2,000~7,000メートルの上空に発生する中層雲です。

乱層雲は、温暖前線や低気圧が接近したとき、湿った空気によって発生する雲です。すなわち、乱層雲は雨や雪を降らせる雲です。日本の上空では、秋雨の季節に乱層雲をよく見ることができます。

層積雲

層積雲は、くもり雲、うね雲とも呼ばれ、暗い厚い雲が空を覆っているときの雲です。層積雲は、白色や灰色の大きな雲のかたまりがロール状に広く連なったり、 畑のうねのように細長い雲が並んでいたりします。空を覆うように広がると、雨や雪が降ることもあります。

そして、層積雲は、地上近く~2,000メートルの上空に発生する下層雲です。また、層積雲は、高度が低いので、地上の風や地形に影響されます。日本の上空では、年間を通して曇りの空になるときには、この雲が現れます。

積雲

積雲は、わた雲とも呼ばれ、綿菓子のように白くふわふわとしていますが、シュークリームのように上の部分がモコモコとして、下の部分は平らな雲です。そして、積雲は、500~2,000メートルの上空に発生する下層雲です。

日本の上空では、春や夏に積雲をよく見ることができます。ぽっかり浮かんだ積雲は、雲を思い浮かべるときに、最もよく出てくる形です。また、積雲は、夏には上昇気流によって発達することがあります。そして、積乱雲になることもあります。

層雲

層雲は、きり雲とも呼ばれ、山の途中や高層の建物に霧がかかっているように見える雲です。山頂などから見える雲海や地上での霧も層雲の一種です。そして、層雲は、地上近く~2,000メートルの上空に発生する下層雲です。

層雲は、地面が冷えているときに発生しやすい雲で、日差しが強くなると、消えてしまいます。すなわち、層雲は、湿気を多く含んだ空気が、地表付近で急に冷やされるときにできる雲です。そのため、層雲は、日中の気温が暖かい季節に、朝の気温が急激に下がるとき、発生しやすい雲です。

積乱雲

積乱雲は、かみなり雲や入道雲とも呼ばれ、強い上昇気流によって鉛直方向に発達した雲で、背の高い巨大な雲です。そして、積乱雲は、地上近く~12,000メートルの上空に発生する雲で、水平方向の広がりは数キロ~十数キロメートルにも及びます。

※上層雲、中層雲、下層雲のいずれにも分類されませんが、下層雲に分類されることもあります。積乱雲は、太平洋側では、夏に見られる雲で、雷を起こしたり、激しい雨を降らせたりする雲ですが、日本海側では、秋から初冬にかけて雷とともに霰(あられ)や雹(ひょう)を降らす雲でもあります。





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