【FTA/EPA】についてわかりやすく解説(パート1: FTA)!

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国際・政治

FTAとEPA

FTAは、貿易の自由化を図るため、関税の撤廃などを含めた2国又は多国間の協定です。EPAは、このFTAの取決めに加えて、経済関係の強化を図るため、幅広い分野での連携を推進する2国又は多国間の協定です。この2つの協定のうち、今回のパート1ではFTAについて解説します。そして、次回のパート2ではEPAについて解説します。

FTAとは

FTAとはFree Trade Agreement(自由貿易協定)の略称です。FTAは、2国又は多国間で、関税や貿易を制限する関税以外の障壁を直ちに又は一定の期間を経て撤廃又は削減することを定めた協定です。すなわち、FTAの目的は、関税や非関税障壁を撤廃又は削減することによって、2国又は多国間で貿易の自由化を実現して貿易の拡大を図ることです。

関税の撤廃又は削減

関税とは、物品の輸出入に際して課される税金のことですが、一般的には物品の輸入に際して課される輸入関税のことです。すなわち、税収入を確保したり、国内産業を保護したりするため、物品を輸入するときに課される税のことです。

関税が撤廃又は削減されると、輸入する国では、安い外国(輸出国)の製品や農産物などが国内市場に流れ込むため、消費者の購買意欲は高まります。また、輸入業者は取引量が増えて売上が伸びることになります。一方、輸出する国では、国内の生産者や輸出業者は、外国(輸入国)で製品や農産物などを安く販売することができるため、売上を伸ばすことができます。これらが関税の撤廃又は削減のメリットです。

しかし、デメリットとしては次のようなことが考えられます。輸入する国では、輸入する製品や農産物などと同じものを扱う生産者や関連企業は、安い輸入品が国内市場に出まわるため、厳しい販売競争にさらされます。その結果、国内の生産者や関連企業は売上が減少することにもなります。そして、それは国内産業の縮小にもつながります。

また、輸出する国では、輸出先で販売を拡大するため、特定の製品や農産物などを大量に輸出することになります。その結果、国内においてそれらの製品や農産物などが不足することになれば、その品物の値上がりにつながることにもなります。

非関税障壁の撤廃又は削減

政府が、国内産業の保護などを目的として、関税以外の方法によって、国内で取引される物品やサービスと外国から輸入される物品やサービスとの間で差別的な取り扱いを行い、輸入を制限するような措置を執る場合、それを非関税措置(NTM: non-tariff measures)と言います。

この措置によってつくり出される輸入を妨げる状態を非関税障壁(NTB: non- tariff barriers)と言います。その具体的な措置として、例えば、輸入通関手続き、輸入検査、輸入割当などがあります。

これらの措置は、自国の産業を保護する目的で設けられるほか、自国民の健康や安全を守るうえで重要な役割も果たしています。ただし、これらの措置の内容や運用の仕方によっては、輸入業者などに余計な費用や時間をかけさせることにもなります。

その結果、輸入業者などは輸入の機会を失うなどの不利な状況に追いやられる可能性があります。そのため、必要性の観点から、これらの措置の撤廃や削減を行うことができない場合には、手続きの簡素化などにより障壁を低くすることができます。

輸入通関手続き

輸入通関手続きとは次のとおりです。外国から到着した貨物は国内の保税地域に搬入されます。保税地域とは、通関手続きを行うため、関税などの課税を保留した状態で貨物を一時的にとどめておく場所のことです。

そして、輸入(納税)申告書を税関に提出して輸入申告を行います。申告書を審査した結果、検査が必要と判断されたときは貨物検査が行われます。審査などを通過して関税や消費税などが納付されたことが確認されると、輸入許可書が交付されます。

輸入が許可されると、輸入した貨物を国内で引き取ることができます。そして、これを国内貨物として流通させることが可能になります。なお、税関以外の許可や承認などの手続きが必要とされる場合は、税関の輸入許可が下りる前にそれらの許可や承認などを別途得る必要があります。

輸入検査

輸入検査とは輸入する者が輸入品の検査を行うことです。輸入する者は検査を命じられると、自己負担で検査を行います。検査結果について適法と判断されるまで輸入は認められません。また、検疫の対象となるものを輸入する者は、検疫官の検査を受けて合格する必要があります。検疫とは、病原体などが国内に侵入してまん延するのを防止するため、海港や空港で人や貨物などの検査を行って必要な措置をとることです。

輸入割当

輸入割当とは、特定の輸入品について輸入する者に対して一定の枠内で数量や金額を割り当てることです。その目的は国内産業が損害を受けるのを防ぐためです。すなわち、輸入する数量などに上限を設けることによって、国内市場において特定の輸入品が占める割合を下げて、国内の企業などが一定の生産と販売を確保できるようにすることです。  

 

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