スーパーなどに並ぶ【キノコ】の栄養素と効能についてわかりやすく解説!

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キノコの主な栄養素と効能

現在、キノコの人工栽培が普及したため、スーパーなどの野菜売り場には、キノコが1年を通して並べられています。一方、多くの天然キノコは、秋に収穫されているため、秋が旬の食べ物というイメージがあります。実際、マツタケは、人工栽培の商業化は実現されておらず、天然物が売られているため、秋が旬の高級なキノコです。キノコの主な栄養素には、食物繊維、β-グルカン、ビタミンB群、ビタミンD、カリウムなどがあります。【食物繊維】は、人の消化酵素では分解されないため、小腸を通過して大腸まで到達します。

また、食物繊維を多く含む食べ物は、繊維質のため、咀嚼(そしゃく)回数が増えます。その結果、満腹感が得られやすくなるので、食べ過ぎを防ぐ効果があります。食物繊維には、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と水に溶けやすい「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸って膨らむため、便の容量を増やします。それによって、大腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にするため、便通をスムーズにします。そして、便秘の改善は腸内の悪玉菌が増えるのを防ぐ効果があります。

蠕動運動とは、大腸などの筋肉が波打つように収縮と弛緩を繰り返して、内容物を送り出す運動のことです。さらに、不溶性食物繊維は、有害物質を吸着して便とともに排出するため、大腸がんのリスクを減らす効果もあります。次に、水溶性食物繊維は、水分に溶けるため、ゼリー状となって胃や腸内をゆっくりと運ばれていきます。そのため、お腹に留まる時間が長く、空腹感を抑えて、食べ過ぎを防ぐ効果があります。また、水溶性食物繊維は、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を緩やかにします。

そして、水溶性食物繊維は、コレストロールを吸着して便とともに排出するので、血中コレステロールの値を低下させたり、ナトリウムも吸着して排出するので、血圧の上昇を抑えたりする働きがあります。さらに、水溶性食物繊維は、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになるため、善玉菌が増えて腸内環境の改善に役立ちます。このような働きによって、食物繊維は癌や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待されています。【β-グルカン】は、食物繊維の一種ですが、構造の違いによって主に穀物由来とキノコ・酵母由来の2種類に分けられます。

キノコ由来のβ-グルカンには、一般的に不溶性食物繊維が多く含まれています。この種類のβ-グルカンには、マクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞などの免疫細胞を活性化して免疫機能を高める働きがあります。そのため、感染症や癌などを予防する効果が期待されています。【ビタミンB群】には、ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸という8種類があります。ビタミンB群は、三大栄養素の炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の代謝(体内で起こるすべての化学反応)を助ける重要な栄養素です。

[ビタミンB1]は、特に糖質の代謝に欠かせない栄養素です。すなわち、食事で体内に摂取された糖質は、消化酵素によってブドウ糖などに分解されます。ブドウ糖は、小腸で吸収されて体全体に運ばれるために血液に送られます。そして、脳などの内臓を働かせるためのエネルギー源となります。特に脳はブドウ糖のみをエネルギー源としています。すなわち、ブドウ糖は体内(細胞内)で酵素の働きによってエネルギーに変換されます。ビタミンB1はその酵素の働きを助ける補酵素として機能します。

一方、余った糖質はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。さらに余ると、中性脂肪に変換されて体脂肪として蓄えられます。ビタミンB1が不足すると、脳などの内蔵が働くために必要なエネルギーを十分につくり出すことができなくなります。そのため、疲労感や倦怠感が現れたり、食欲不振を引き起こしたりします。特に、脳はブドウ糖からつくり出されるエネルギーを必要としているため、ビタミンB1の不足は、集中力や記憶力を低下させたり、イライラするなど情緒不安定を引き起こしたりします。

また、ビタミンB1が不足すると、ブドウ糖をエネルギーに変える働きが低下するため、体内の中性脂肪が余分に蓄積されて肥満になる可能性が高まります。さらに、ビタミンB1の不足によって、血液中の血糖値が上がる状態が続くことにもなります。その結果、糖尿病になるリスクが高まったり、血管が傷ついて動脈硬化が進むことによる心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まったりします。[ビタミンB2]は特に脂質の代謝に欠かせない栄養素です。そして、脂質は、粘膜、皮膚、髪、爪などの細胞の再生に必要な成分です。

ビタミンB2は、これらの細胞を再生するために必要な酵素を助ける補酵素として重要な役割を果たしています。そのため、不足すると、口角炎、舌の炎症、肌荒れなどを引き起こす可能性が高まります。また、ビタミンB2は、「発育のビタミン」とも呼ばれて、体の成長を促進するためにも必要な栄養素です。[葉酸]は、同じくビタミンB群の1種のビタミンB12とともに赤血球の生成に必要な栄養素で、「造血ビタミン」とも呼ばれています。葉酸は、DNA(デオキシリボ核酸:遺伝情報を記した設計図)やRNA(リボ核酸:設計図を基にタンパク質を作る役割を持つ)を合成する酵素の補酵素として働きます。

そのため、妊娠初期において胎児の細胞が活発に増殖する際に必要とする栄養素です。[ナイアシン]は、酵素の働きを助ける補酵素として機能します。特に、糖質、タンパク質、脂質のエネルギー代謝を助ける役割を果たしています。そのほか、 健康な皮膚や粘膜を維持したり、DNAの修復や合成を行ったり、アルコールを分解したりするなどの様々な酵素の働きに関与しています。[ビオチン]は、補酵素として糖質、脂質、アミノ酸の代謝を助ける働きがあります。コラーゲンはアミノ酸を主成分としているため、ビオチンは皮膚や粘膜などの健康を維持するうえで必要な栄養素です。また、ビオチンはケラチン(タンパク質の一種)の合成にも関与しています。

そのケラチンは爪、髪、皮膚の角質の主成分です。そのため、ビオチンは丈夫な爪や髪などを維持するうえで必要な栄養素です。ビオチンが不足すると、抜け毛、皮膚炎、食欲不振などの症状が現れる可能性があります。[パントテン酸]は酵素の働きを助ける補酵素の成分となります。そして、パントテン酸を含む補酵素は様々な代謝に関与しています。特に、脂質や糖質のエネルギー代謝を助ける補酵素には必要な成分です。そのほか、パントテン酸を含む補酵素は、免疫抗体を合成したり、薬物を解毒したり、ストレスを緩和する副腎皮質ホルモンを合成したりする酵素の働きなどを助けます。

【ビタミンD】は、主に日光(紫外線)を浴びることによって皮膚でつくられます。ここでつくられたものは、体内のビタミンDの8~9割を占めると言われていますが、日光をよく浴びるから、食事で摂取する必要はないとは言い切れません。ちなみに、紫外線の浴びすぎは皮膚の老化や目の炎症を引き起こします。ビタミンDは、食事で摂取されたカルシウムやリンの吸収を促進します。吸収されたカルシウムやリンは、血液の中に送られて体全体に運ばれます。そして、丈夫な骨や歯をつくり上げます。

また、ビタミンDは、血液中のカルシウム濃度が低下すると、各種ホルモンと協力しながら、骨からカルシウムを溶かして血液に送り込みます。これによって、血液中のカルシウム濃度を高めます。さらに、ビタミンDは、腎臓でカルシウムを再吸収するのを助けて、尿として排出されるのを減らしたりします。このようにして、ビタミンDは、血液中のカルシウム濃度を調節して正常に保つ働きを助けています。血液中のカルシウムは、筋肉や心臓を正常に動かしたり、神経の情報伝達を助けたりする働きにも関与しています。

さらに、カルシウムは、血液を凝固して出血を止める働きにも関与しています。ビタミンDは、免疫細胞を活性化して、体内に侵入してきた風邪やインフルエンザなどのウイルスを撃退したり、免疫細胞の過剰な活性化を抑制したりする働きもあります。そのほか、ビタミンDには次のような効能があると言われています。血液中のビタミンDの濃度が高い人はがんになるリスクが低くなると言われています。ビタミンDは、神経伝達物質のセロトニンの分泌を促進します。セロトニンは、精神の安定、睡眠、食欲など様々な機能に深く関与しているホルモンです。

そして、ビタミンDは、アレルギーを抑えたり、排卵障害を改善したり、受精卵の着床を助けたりする働きにも関与しています。【カリウム】は、細胞内の水分バランスを調整する働きがあります。すなわち、体液には細胞内液と細胞外液があります。体内のほとんどのカリウムは細胞内液に含まれています。細胞内液に多く含まれるカリウムは、細胞外液に多く含まれるナトリウムとともに、浸透圧(液体に溶けている粒子が水を引きつける強さのこと)を調節して体内の水分バランスを安定した状態に維持しています。

これにより、正常な体が維持されて恒常的な健康が保たれていきます。そして、カリウムには余分なナトリウム(塩分)を尿として排出する作用があります。そのため、塩分を過剰に摂取することによって起こるむくみや高血圧を予防又は改善する効果があります。さらに、高血圧によって起こる動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを予防する効果が期待されています。また、カリウムは、心臓の筋肉の収縮や神経の情報伝達にも関与しています。さらに、カリウムは体液のpHを一定に保つ働きがあります。

pHとは、水素イオン濃度指数のことで、液体が酸性、中性、アルカリ性のどこに分類されるかを判別する尺度のことです。体液のpHのバランスが乱れると、血液が酸性に傾く場合(アシドーシス)とアルカリ性に傾く場合(アルカローシス)があります。酸性に傾く場合には、頭痛、不整脈、血圧低下、呼吸の乱れ、だるさなどが現れる恐れがあります。アルカリ性に傾く場合には、めまい、手足のしびれ、不整脈、筋肉けいれん、意識障害などが現れる恐れがあります。

シイタケと栄養素

シイタケの傘には淡褐色や黒褐色のものがあります。シイタケは肉厚で歯切れがよいキノコです。生産量が多く、様々な料理に使われています。シイタケには、タンパク質(乾燥)、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、葉酸、ビオチン(乾燥)、エリタデニン、ビタミンD、カリウムが多く含まれています。【タンパク質】は体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。アミノ酸は体の重要な構成成分となる各種のタンパク質を合成します。

シイタケ

すなわち、各種のタンパク質は、筋肉、臓器、血液、皮膚、爪、歯、髪などをつくる材料として使われます。さらに、エネルギー源として使われるとともに、酵素、ホルモン、抗体、神経伝達物質などの材料にもなります。特に、エリタデニンは、シイタケに多く含まれている栄養素で、血液中の悪玉(LDL)コレステロールが上がるのを抑える働きがあります。そのため、血液の流れをスムーズにして、血圧を下げる効果が期待されています。

ブナシメジと栄養素

ブナシメジの傘は一般的に淡褐色や灰褐色です。一般的に、スーパーなどでは多くの小さなキノコが集まっている状態(株)のブナシメジを見かけます。歯ごたえの良さが特徴で、色々な料理で活躍する食材です。ブナシメジには、主に食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンD、カリウムが多く含まれています。

ブナシメジ

マイタケと栄養素

マイタケの傘は一般的に茶褐色や灰黒褐色ですが、柄に向かって淡くなっています。栽培される前には大変珍しいキノコでした。そのため、見つけると舞い上がるほどうれしいことから、舞茸(まいたけ)という名になったと言われています。マイタケには、タンパク質(乾燥)、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB2、葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンD、カリウムが多く含まれています。

マイタケ

エノキダケと栄養素

スーパーなどで見かけるエノキダケには、日光を当てずに人工栽培されたものが多くあります。そのため、全体が白色ですが、本来は傘は茶褐色です。エノキダケはシャキシャキした食感が特徴的なキノコです。エノキダケには、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンD、カリウムが多く含まれています。

エノキダケ

ナメコと栄養素

ナメコは一般的に黄色い小型のキノコです。表面にぬめりがあるのが特徴です。みそ汁の具としてよく食べられます。ナメコには、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、ペクチン(ぬめりの主成分で水溶性食物繊維)が多く含まれています。

ナメコ

エリンギと栄養素

エリンギの傘は淡褐色です。日本には自生しておらず、イタリアや南フランスなどの地中海の沿岸や中央アジアが原産地です。1993年に愛知県林業センターが初めて人工栽培に成功しました。現在、主に長野県と新潟県で栽培されています。エリンギには、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンD、カリウムが多く含まれています。

エリンギ

マッシュルームと栄養素

マッシュルームは、丸みを帯びた形で、スーパーなどでは白色と茶色の2種類のものを見かけます。マッシュルームは、原産地がヨーロッパで、日本では1922年に人工栽培が成功しました。現在、世界中で栽培されている人気のキノコです。マッシュルームには、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、カリウムが多く含まれています。

マッシュルーム

キクラゲと栄養素

キクラゲは一般的に茶褐色や黒褐色です。ゼラチン状の質感で、食べるとコリコリして歯ごたえが良いキノコです。中華料理の野菜炒めやスープによく使われます。キクラゲには、タンパク質(乾燥)、食物繊維(不溶性食物繊維が多い)、β-グルカン、ビタミンD、カルシウム、鉄分(乾燥キクラゲ)、カリウムが多く含まれています。キクラゲには、ビタミンDとカルシウムが豊富に含まれているため、カルシウムを効率良く吸収することができます。【鉄分】は、赤血球の約3割を占めるヘモグロビンの成分になります。

キクラゲ

ヘモグロビンは、赤い色素を持つたんぱく質で、肺で酸素と結びついて体全体に酸素を運ぶとともに、不要になった二酸化炭素を肺に運ぶ役割を担っています。鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血になるため、疲れ、めまい、動悸などの症状が現れます。鉄分には、動物性食品に多い「ヘム鉄」と、植物性食品に多い「非ヘム鉄」があります。キクラゲに含まれるのは非ヘム鉄です。体内では、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも吸収されやすいですが、非ヘム鉄は、ビタミンCやタンパク質を一緒に摂取することで吸収率は高まります。

日本の伝統的なハーブ【ヨモギ】についてわかりやすく解説!
ヨモギは、畦道(あぜみち)、野原、河原、時には道端などの雑草が生えているところなら、よく見かける植物です。ヨモギの旬は春先の3月~5月です。スーパーやデパートの和菓子コーナーでは、餡(あん)を包んだ草餅や餡をのせた団子などのヨモギ入り和菓子が売られています。
【栄養豊富なブロッコリー】栄養素と健康への効果についてわかりやすく解説!
ブロッコリーは、栄養豊富な緑黄色野菜で、北海道から九州にわたる各地で栽培されているため、ほぼ1年を通して流通しています。ブロッコリーは、2026年度から国の指定野菜になります。これにより、ブロッコリーは消費者へ安定的に供給されるようになります。
【カボチャは栄養豊富な緑黄色野菜!】栄養素と効能についてわかりやすく解説!
カボチャは、年間を通して食べることはできますが、旬の時期は秋から冬と言われています。秋はカボチャが美味しい季節です。そして、カボチャは緑黄色野菜です。カボチャには、食物繊維、β-カロテン、ビタミン類、カリウムなどの栄養素が含まれています。

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